・RASTを計ると計り方の性質上、真ん中のUA/mlという単位でしめされます。この数値は上がり方、下がり方が曲線的なので、ひとがわかりやすい直線的な上がり方、下がり方に翻訳して「クラス分け」で表示することも行います。
IgEについてもう一度
IgEとは総IgEのことで非特異的IgEと呼ぶこともあります。
非特異IgEの意味は?という問い合わせがありましたのでもう一度詳しく書きます。
IgEとはアレルゲンに対して働く免疫グロブリンです。
では特異的IgEとはなにかということから説明します。
RAST検査というのがあり、これが特異的IgEを測っていることになるのです。
RASTの項目には
■食品
卵白、卵黄、卵白アルブミン、オボムコイド(ここまですべて鶏卵関係です。)
牛乳、カゼイン、βラクトグロブリン(ここまで牛乳関係です。)、チーズ
大豆、米、小麦、トリ肉、ブタ肉、・・・・・・・・・・
■花粉
スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、・・・・・・・
■カビ
カンジダ、ペニシリウム、クラドスポリウム・・・・・
■昆虫など
ダニ1、ダニ2、HD1、HD2,ゴキブリ、・・・・・
・・・いくらでもあります。
IgEといってもそれぞれ「・・・係」があるのです。
主な構造は同じですが、アレルゲンと結合する部分だけは千変万化して、いろんなアレルゲンに対応するようにできています。
卵白のRASTと言った場合、卵白だけに働くIgEを測っています。
すなわち、卵白「係」というIgEが卵白特異的IgEであり、これをある測定法で測ったものがRASTです。
この「係」の種類というのはいったい何種類あるのか。
おそらく1万種類でもきかないでしょう。
100万種類くらいあるかもしれません。
そのすべてをいっしょくたにIU/mlという単位で測っているのが総IgEです。総IgEを非特異的IgEとも呼びます。
総IgEのことを非特異的IgEと呼ぶのは少し問題があります。
総IgEの中身もそれぞれ何かに対する「係」、つまり、特異的IgEの集まりですから、これを「非特異的」という のはおかしい。
この場合「非特異的」と いっているのは測られているIgEがすべて「・・・係」ではないということではなく、特異的なIgEを測るやり方ではない、測り方をしたのではなく、すべての「・・・係」を一緒くたに測ったという意味です。