―ネオニコチノイド・有機リン農薬の危険性― 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.脳神経系を標的としてきた農薬の危険性
 有機リン系の農薬は、昆虫の中枢神経で主要な神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素の働きを阻害し、アセチルコリンを蓄積させて信号が入りっぱなしとなり、神経が撹乱される。

有機リン系の代替として開発されたネオニコチノイド系は、ニコチン類似構造を持ちニコチン性アセチルコリン受容体(注2)に結合して、アセチルコリンがなくてもあるかのように作用して神経が撹乱される。

除草剤グリホサート、グルホシネートは、それぞれ抑制性神経伝達物質グ
リシン、興奮性神経伝達物質グルタミン酸の有機リン化合物である。

有機塩素系農薬とピレスロイド系は、神経系に重要なナトリウムイオンを通過させる蛋白質を標的としている。
 これらの農薬の安全基準には、多種類の農薬の複合影響環境ホルモン作用、発達期神経毒性などの毒性試験は十分に入っておらず、安全性が確立しないまま販売・使用されているのが実態である。
 昆虫もヒトも脳神経系の基本は似ており、アセチルコリンは、昆虫の中枢神経の主要な神経伝達物質であり、ヒトでは自律神経や末梢神経において主要な神経伝達物質であるだけでなく、中枢神経においても重要な働きをしている。

さらにヒトの脳発達では、胎児―青年期にいたるまでアセチルコリン受容体が妊娠初期から成体とは違ったパターンで発現し、正常な脳の発達過程に関わることが分かってきており、有機リン系やネオニコチノイド系などの低用量影響が懸念される。
5 .ミツバチ大量死もネオニコチノイドによる発達障害?
 最近のミツバチ大量死の原因は複合的と考えられるが、日本では大量死したミツバチからネオニコチノイド系農薬が検出された。ミツバチにネオニコチノイドを与えると巣へ戻る方向性を失うなど行動異常が見られている。

複雑な本能行動を起こす脳神経回路のニコチン性受容体がネオニコチノイドにより撹乱されたためと考えられる。

しかしより低い濃度のネオニコチノイドでミツバチが集団失踪するのは、幼虫のえさである花粉がネオニコチノイドなどの農薬で汚染され、次世代の脳高次機能の神経回路の発達が障害された可能性もある。

ヒトでも昆虫でも発達中の脳、ことに高次機能を担う複雑精緻な神経回路が“にせ神経伝達物質”などに脆弱なのは当然といえる。

ミツバチは最も進化した脳を持つ社会性昆虫であるため、致死量よりはるかに低いネオニコチノイドなどの農薬で、結果的に群れごと集団失踪したのであろう。