・■朝日24日「モルモットにするな」校庭の線量基準 憤る福島の親たち
「子どもたちを放射能から守れ」「年間20ミリシーベルトの基準の撤回を」――23日に文部科学省を訪れた福島県の保護者らは、のぼりやプラカードを掲げて同省の建物を囲んだ。
福島県の保護者ら約70人に加え、市民団体などの呼びかけで県外の人も参加。計約500人に膨らんだ。
同省は校庭使用を制限する放射線量の目安を毎時3・8ミリシーベルト以上と設定。年間20ミリシーベルトを超えないよう設定した基準だが、保護者らは「線量が基準以下であることを理由に、部活動や屋外活動が再開されている」「安全かどうかは分からない。
福島の子どもをモルモットにするな」などと批判。
玄関前で対応した同省の担当者に、基準を撤回し、「年間1ミリシーベルト」を採用することや、国の費用負担で除染作業をすることなどを求めた。
担当者は「政務三役に要望を伝え、すみやかに回答する」と応じた。
1歳の娘を母親に預けて駆けつけたという福島県伊達市の女性(40)は「基準は子どもと大人の違いを考えずに定められていて、納得できない」と憤った。
■朝日5月28日 子どもの被曝量 年1ミリ以下目標 文科省
放射能の子どもたちへの影響が不安視されるなか、対応を迫られた文部科学省は、学校での児童・生徒の年間被曝(ひばく)量を1ミリシーベルト以下に抑えることを目指す方針を打ち出した。
校庭の土壌処理の費用を支援するほか、専門家の意見を参考に被曝量の低減に向けた方策を探るという。
文科省は、校庭利用の制限を巡る年間20ミリシーベルトの基準はひとまず変えない考えだ。
しかし、福島県内の学校や保護者から「基準値が高すぎる」「子どもの健康に影響があるのではないか」との声はやまず、文科省として放射線量の低減に積極的に取り組む姿勢を示した。
毎時1マイクロシーベルト以上の学校の土壌処理の費用について、国がほぼ全額を負担。
今月末からは放射線防護や学校保健の専門家を対象にヒアリングを重ね、学校や家庭生活でさらに被曝量を下げることが可能かどうか検討するという。