セシウム-134(134Cs)2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・化学的、生物学的性質
セシウムの化学的性質と体内摂取後の挙動は、生物にとって重要な元素であるカリウムと似ている。

体内に入ると全身に分布し、約10%はすみやかに排泄され、残りは100日以上滞留する。

成人の体内にあるセシウムの量は1.5㎎で、カリウムの140gの約10万分の1である。


生体に対する影響
体内に摂取した時のベータ線による内部被曝が問題になり、10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.19ミリシーベルトになる。

また、1mの距離に100万ベクレルの小さな線源があると、ガンマ線によって1日に0.0055ミリシーベルトの外部被曝を受ける。


環境被曝の経過
ラップランド人では、大気からコケなどを経てトナカイに入り、トナカイに入っている放射性セシウムを摂取する過程が経路である。

ふつうは、土壌から野菜や穀物を経て人が摂取する経路が重要であり、大気中から葉菜への沈着も問題になる。
土壌の中での挙動は土質によって異なる。

粘土質の土壌ではよく吸着され、植物には取り込まれにくい。
水圏での挙動は単純ではない。

淡水には溶けにくく、湖底堆積物に含まれることが多い。

海水には溶けて、魚などに摂取されやすい。


再処理工場からの放出
セシウムは水溶液中で揮発性化合物をつくらず、排気中に入らない。

排水中の量も低くできるはずであるが、実際はある程度の量が入っている。

フランスのラ・アーグ再処理工場からの2003年の排水中への放出量は419億ベクレル(4.19×1010Bq)だという。

134Cs /137Cs比は0.055であったが、この減少はセシウム-134の崩壊によっている。


放射能の測定
土壌などの環境試料は適当な容器に入れ、ゲルマニウム半導体検出器でガンマ線を測定するのがふつうの方法で、0.1ベクレルまで検出できる。体内にあるものは、全身カウンターで測定できる。


放射線エネルギー(100万電子ボルト) ベータ線, 0.0886(27.3%), 0.415(2.51%),0.658(70.2%);ガンマ線, 0.563(8.4%),0.569(15%),0.605(97.6%), 0.796(85.5%), 0.802(8.69%), 1.365(3.0%)他
比放射能(ベクレル/g) 4.8×1013
排気中又は空気中濃度限度(すべての化合物、ベクレル/cm3) 2×10-5
排液中又は排水中濃度限度(すべての化合物、ベクレル/cm3) 6×10-2
吸入摂取した場合の実効線量係数(すべての化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 9.6×10-6
経口摂取した場合の実効線量係数(すべての化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 1.9×10-5


《古川路明》