・Q2.25 女性は男性に比べ便秘が多いといわれていますが、それはなぜですか
便秘は、一般に男性より女性に多く、また年齢を重ねるにしたがって増加するといわれており、外来において、重度の便秘症を有する患者の7割を女性が占めているとの報告もあります。
実際に便秘が多いと思われている女性、特に社会人、女子大生にその排便習慣について平塚胃腸病院でアンケート調査を実施したところ、週4~6回の排便の人が48%ともっとも多く、「便秘である」と意識しているものも多い結果でした。
これらの世代背景には"痩せたい"願望による欠食率の高さ、あるいは食事量の少なさ、"便意を知られるから"といったトイレの羞恥心などからの原因も推測されます。また、妊婦に対しても同様のアンケートを行った結果、妊婦の約42%前後が下剤を服用しており、便秘は妊婦が薬に依存しやすい症状の一つに上げられています。
このように女性は男性と異なり、性周期(黄体ホルモン分泌による蠕動運動の抑制)、身体所見(腹圧の低さ)、妊娠(黄体ホルモン分泌による蠕動運動の抑制)、食事量、生活環境(排泄環境)などの原因が絡み合っており、便秘になりやすいと考えられています。
Q2.30 宿便とはどのような状態をいうのですか
一般にいわれる宿便とは、「水道管の内側にこびりついた水アカのように、腸壁に何年もこびりついたヘドロのような古い便」をさすようです。
これは、「腸管がひだ状になっているため、谷間の部分に便が入り込んでそのまま溜まってしまう」という考えに基づいているようです。
しかしながら、腸の壁は、確かにひだ状になっていますが、谷間の部分が常に谷間というわけではなく、腸内で蠕動運動が起こるたびに、腸は動いて、同じところが山になったり、谷になったりと常に上下運動をしています。
よってその中を便が通過していくのですから、谷間に便が溜まりっぱなしになるようなことはありません。
また、腸の細胞は2~3日で生まれ変わり、古い細胞はそのまま排泄されるので、便が何年もへばりつくようなことはありません。
監修:平塚胃腸病院
平塚 秀雄先生