・明らかな急性発症であり筋脱力を伴う場合
片側の上下肢の分布であるとき
脳血管障害を積極的に疑う分布の場合(顔と片側と反対側の上下肢とか口と手掌など)
こういった場合を除き、脳血管障害の心配はないことを告げることが大切である。安易に抗血栓薬(アスピリンなど)を処方するべきではない。
高齢者はしびれを主訴に来院する場合が多いが、どんなに検索しても重要な疾患が見つからず特発性良性慢性しびれという診断になってしまうことが多い。
痺れで重要な疾患としては顔面の痺れというものがある。
これは脳血管障害や悪性腫瘍の可能性が高く、精査が必要である。
また亜急性、即ち数週間で経過する四肢の痺れも悪性腫瘍や血管炎の可能性が高い。
痺れの治療 [編集]可能ならば原疾患の治療を行うべきである。
しかし症状緩和の意味や特発性良性慢性しびれの除外のために以下の処方がしばしば用いられる。
特発性良性慢性しびれ
軽症であればアリナミンF(ビタミンB1)50mg 1×やメチコバール(メコバラミン、ビタミンB12)1500μg 3×、ユベラN(トコフェノール、ビタミンE)100mg 2×、ビタメジンカプセル50mg 1×(複合ビタミン剤)などを使用する。
また心因性の場合も多いため、抗不安薬も併用することもある。
末梢神経障害
糖尿病性ニューロパチーの場合は軽症の場合はキネダック150mg 3×(エパレスタット)がよく用いられる。キネダックはアルドース還元酵素の阻害薬でありアルドース還元酵素を特異的に阻害し神経内のソルビトール蓄積を抑制する。神経が不可逆的阻害を受けていなければ有効とされている。
糖尿病性神経症の疼痛やしびれに使用されることが多い。
尿が赤くなるが、それは特に問題とならない。
痛みが強くなってきた場合はキネダック150mg 3×に加えてメキシチール(メキシレチン)300mg 3×を併用する場合が多い。
メキシチールはⅠb群の抗不整脈薬であり、不整脈を誘発することがあるので投与まえに心電図を検査することが望ましい。
1か月をめどに使用し効果がなければ2週間で退薬する。
また痛みが難治性となった場合はテグレトール400mg 2×(カルバマゼピン)を使用することも多い。
この痛みによってうつ状態となることも多く、抗うつ薬、抗不安薬が効果的な場合もある。トフラニール30mg 3×(イミプラミン)は三環系抗うつ薬であり、セルシン6mg 3×(ジアゼパム)は抗不安薬である。
セルシンとテグレトールの併用はしばしば行われる。
なお、日常生活に支障がでるほどの糖尿病性神経症では神経が不可逆的な変化を起こしておりこれらの薬物が効果的でない場合も多い。
その場合、痛み、しびれは訴えないこともある。
アルコールや栄養障害のニューロパチーを疑った場合はビタメジンカプセル(50)3C3×とメチコバール 1500μg 3×を併用することもある。
手根管症候群
この場合は原疾患の治療とNSAIDsによる疼痛を行う場合が多い。
浮腫に対してラシックス®(フロセミド);40mg1×も使用される。
神経痛
テグレトール(カルバマゼピン)が頻用される。帯状疱疹後などではフランドルテープが効果的なこともある。
runより:私は後頭部と胸が痺れるんですが・・・原因不明ですね。
慣れました♪