卓球ラケット用接着剤の使用に伴う重篤な被害の発生について | 化学物質過敏症 runのブログ

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卓球ラケット用接着剤の使用に伴う重篤な被害の発生について
今般、卓球ラケットのラバー貼り付け用接着剤に起因すると疑われる重篤な被害が発生した旨の報告がありましたので、別添のとおり各都道府県等あて通知しました。


なお、販売元(株)タマスでは、当該製品の出荷を平成17年11月に終了していますが、現在、消費者への注意喚起及び製品回収を実施しています。

連絡先は次のとおりです。

(株)タマス 03-3314-2111
受付曜日・時間 月曜日~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時45分
ホームページ http://www.butterfly.co.jp

また、財団法人日本卓球協会、社団法人日本スポーツ用品工業協会及び日本接着剤工業会に対し、消費者又は製造者への注意喚起等適切な対応を要請しました。

(別添:自治体宛通知を添付)


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薬食化発第0510001号
平成19年5月10日

都道府県
各 政令市 衛生主管部(局) 長 殿
特別区

厚生労働省医薬食品局審査管理課
化学物質安全対策室長


卓球ラケット用接着剤の使用に伴う重篤な被害の発生について
今般、別紙のとおり、卓球ラケットのラバー貼り付け用接着剤に起因すると疑われる重篤な被害が発生した旨の報告がありました。

既に販売元では、当該製品の出荷を平成17年11月に終了していますが、現在、消費者への注意喚起及び製品回収を実施しています。

現時点において、当該製品に起因するものと疑われる健康影響に関する情報等は十分でなく、また、健康被害の発生には使用した方の体質や使用時の健康状態等の多くの要因が影響することがあるため、当該製品が人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度は明らかではありませんが、今回の被害は製品に起因するものであることが疑われるため、再発防止の観点から、消費者への注意喚起についてご協力方宜しくお願い致します。

また、当該製品による類似の健康被害の情報を得た場合には、「家庭用品による健康被害の報告について(昭和56年3月10日環企家第46号)」の別添様式を用いて報告方お願いします。

なお、本通知の写しを財団法人日本卓球協会、社団法人日本スポーツ用品工業協会及び日本接着剤工業会あてに送付することを申し添えます。


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(別紙)

1.被害の内容(医療機関からの報告)
(製品) 卓球ラケットのラバー貼り付け用接着剤
      「スーパーロング・チャック」
       販売元 (株)タマス

(発生場所) 岡山県

(被害者)40歳代 男性

(状況)被害者は、自宅で卓球ラケットのラバーの張り替えのため当該製品(缶入り)をハケで塗布していたところ気分不良となり、医療機関を受診した。

医療機関到着後に完全な窒息、意識不明となり、緊急気管内挿管で救命。

強度の咽頭浮腫による気道閉塞を認め、アナフィラキシー様ショックを発症したと診断された。

発症から1週間後に急性腎不全、2週間後に肝機能障害が出現した。

入院から約2週間後に意識は回復し、現在は快方に向かっている(入院45日以上。現在も入院中)。なお、被害者にはアレルギー等の特段の既往症はない。

また、アナフィラキシー様ショック発症の原因物質の特定には至っていない。

2.製品について(販売者からの報告)
(用途・形状)卓球用ラケットの木板とラバーを接着するための接着剤であり、一般消費者向けに販売されていた。粘性のある液状で、缶入りとチューブ入りのものがある。

(成分組成)シクロヘキサン、酢酸ブチル、リモネン、天然ゴム

(表示)容器には、成分組成概要のほか、「使用に際してはよく換気をすること」「有機溶剤が含まれているので、故意に吸わないこと」等の注意事項が表示されている。

(販売状況)
1997年(平成9年)11月から2005年(平成17年)10月まで出荷
累積出荷数量

1000ml缶 24796個(約20トン)
250ml缶  76308個(約15トン)
150mlチューブ 16637個(約2トン)

(その他)本事例の他には、当該製品による重篤な健康被害事例は確認されていない。

(連絡先)(株)タマス 03-3314-2111
受付曜日・時間:月曜日~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時45分

3.現時点で考えられる再発防止策
 接着剤等揮発性成分を含有する製品の使用にあたっては、換気に十分な注意を払い、使用することが必要です。

また天然ゴム製品では、アナフィラキシーショックを引き起こし、じんましんや発疹、ショック状態等重篤な被害を招くことがあるので、使用にあたっては注意が必要です。
 一般に、製品を使用することによる身体に異常を感じた場合には、当該製品の使用は極力避けることが望ましい。

使用を継続すると、症状の悪化を招き、後の治療が長引く可能性があります。症状が改善しない場合には専門医の診療を受けること。

再度使用して同様の症状が発現するような場合には同一の素材のものの使用は以後避けることが必要です。
 使用前には必ず注意書きをよく読み、正しい使用方法を守ることや、化学物質に対して感受性が高くなっているアレルギー患者等では、自分がどのような化学物質に反応する可能性があるのかを認識し、使用する製品の素材について注意を払うことも大切です。