・Q:換気計画の立て方は?
校舎には、様々な目的の教室や共用部分があり、それぞれ使用目的や発生する汚染物質の量と質が異なります。
従来の換気設計では、隙間からの換気や窓を開放することによる換気が主
でしたが、室内で発生する化学物質の濃度を確実に低下させるためには、校舎全体に対して機械換気システムを設置して確実に換気を行う必要があります。
校舎全体の換気システムとしては、一般教室から給気された外気が、廊下等を経由して理科室、図工室、家庭科室などの特別教室及びトイレから排気されるようなシステムとすれば校舎全体が効率よく換気されることになります。
1)必要換気量
建物の中では、人の活動に伴って様々な汚染物質(人体に有害な物質や不快感を起こさせる物質)が発生します。
これらの汚染物質の濃度を許容濃度以下にするための換気量を必要換気量と呼びます。建物の中でも部屋の用途によって必要換気量は異なります。
例えば、調理室の様に燃焼器具を使用する部屋では、大量の換気が必要ですし、工作室のような部屋では、どの様な接着剤や溶剤が使用されるかによって必要換気量は異なってきます。
また、同じ目的の部屋でも、在室人数により必要換気量は異なります。必要換気量は、汚染質の発生量が明らかで、その汚染質の許容濃度が分かっていれば次式で算出することができます。
Q=K/(Pa―Po)
Q:必要換気量(m3/h) K:汚染質の発生量(㏄/h)
Pa:汚染質の許容濃度(ppm) Po:外気の汚染質濃度(ppm)