・4.権威ある機関、NG0s、専門家の見解
ナノ化粧品や特にナノ日焼け止めの安全性については、国際的に権威ある機関、専門家、NGOsが懸念を示しています。
その懸念を集約すると下記のようになります。
(1) ナノ化粧品中のナノ粒子がヒトの皮膚を浸透するかどうかの研究はまだ不十分であり、特に損傷を受けた皮膚からの浸透についての懸念がある。
(2) ナノ粒子は環境へ負荷を及ぼす可能性があるので完全なライフサイクル評価が必要である。
(3)ナノ粒子に対する表示義務とテスト実施義務がないために、ほとんどの製造者は製品にナノ粒子を使用しているかどうかを含めてナノ粒子とテストに関する情報を公開せず、製品にも表示していない。
(4) 環境及び消費者4団体のうち3団体(地球の友(FoE)オーストラリア、天然資源防衛協議会(NRDC)、コンシューマ・ユニオン)は、ナノ日焼け止めはリスクがあるので反対、又は懸念があるので推奨しないという立場ですが、エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)は、リスクとベネフィットを勘案して、ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨するとしています。
EWGは健康ではない皮膚からの浸透によるヒト健康へのリスク、及び環境に排出されるナノ粒子の環境へ及ぼすリスクについての評価を行っていません。(安間武)
-------------------------
参考:日焼け止め豆知識
-------------------------
■紫外線の種類は3種類
UVA(400~315nm)、UVB(315~280nm)
UVC(280nm以下)
■日焼けの種類は2種類
サンバーン:UVBにあたった後2~6時間で皮が赤くなり、発熱や水泡、痛みが6~48時間の後に最もひどくなる。
サンタン:UVAにあたった後24~72時間で色素沈着が進行し3~8日後に皮膚が剥離し始める。皮膚が浅黒く変色し、シワ、タルミの原因になる。
■日焼け止めの指標は2種類
SPF:数値が大きい方がUVBの防止効果大
PA :+、++、+++の3段階があり、+の数が多いほどUVAの防止効果大
(出典:日本化粧品工業連合会)