千葉市等行政施設における農薬等の使用実態報告2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・■調査結果の概要
◆公園・街路樹
 公園や街路樹においては農林省と環境省連名の通知「住宅地等における農薬使用について」と環境省「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」が適用される。通知には定期的散布の中止、物理的防除の優先、万が一、農薬を使用する場合においても誘殺・塗布・樹幹注入などと散布以外の方法を検討すること、人体への危険性が高い有機リン農薬の混合散布の禁止、農薬散布する地域周辺の住民への十分な事前周知などが求められている。
 しかし、今回のアンケートにおいては、H19年とH20年ともに同量を同数回散布しているケース、有機リンの混合を散布しているケース、またその疑いのあるケース、周辺住民への事前広報がされていないケースがある。
 また、多くの子どもが頻繁に利用する公園において、パラコートやTPNなどの危険性の高い農薬が散布されているケースもある。
 一方、流山市と成田市の公園や八千代市の街路樹には、セルコートアグリやBT剤といった人体に比較的安全なものを使用し、公園では物理的防除により農薬散布をおこなっておらず評価できる。

◆保育園・幼稚園
 03年に改正された「建築物衛生法」では、6ケ月以内ごとに1回、ネズミ等の生息調査を行い、その調査結果に基づきネズミ等の発生を防止するための措置を講ずること、また、殺鼠剤および殺虫剤の乱用や不適切な使用をやめることとなっている。
 また、厚労省が作成した「建築物における維持管理マニュアル」においては、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめるような方法で、環境基準を目標に有害生物を制御し、そのレベルを維持する有害生物の管理対策を求めて事前に害虫の生息調査をすること、薬剤を使用する場合でも処理前後に少なくとも3日間はその旨を掲示すること、また、日常的に乳幼児がいる区域については、薬剤による処理を避けることとなっている。
 しかしながら、定期的に有機リン等の薬剤を保育室に使用しているケースがある。
 園庭樹木への散布は、公園・街路樹と同様に事前周知のないもの、各所、毎年、同量を散布しているケースが見受けられた。散布している薬剤も有機リン系殺虫剤が多く、子どもへの影響が懸念される。
 また、園庭に除草剤(グルホシサート)を使用しているケースがある。このグルホシネートはPRTR法第1種指定の化学物質であり、内分泌系に影響を与えることが疑われている危険な薬剤である。
 柏市は園庭樹木への薬剤をBT剤に、八千代市はセルコートに変えていることは評価できる。

◆小中学校
<校舎内>
 トイレにパラジクロロベンゼンが使用されているケースがあるが、これは[学校安全衛生の基準]で室内空気濃度に規制値がある物質であり、常温で成分が揮発し、発がん性の疑われている物質で危険である。埼玉県や愛知県では県の通知でその使用を禁止している。

<給食室・給食施設>
 「虫コナーズ」などの常時殺虫成分が揮発するタイプのものが使用されているケースがあり、調理・配膳をする場所では、その成分が食品に移行する事が考えられ危険である。「バルサン」などの薫煙タイプのものは、使用後の残留性が懸念される。その他にもスミチオンなどの有機リン系殺虫剤が使用されているケースが多く危険である。
 給食室・給食施設においては、定期的な薬剤散布に頼るのではなく、IPMによる総合的防除を積極的に取り入れるべきである。

<校庭>
 樹木や花壇に、多種多様の農薬が使用されている。有機リン系農薬だけでなく、殺菌剤(TPN)を含むものや除草剤、カーバメイト系農薬なども使用されており、周知の有無が分からないケースや周知されていないケースもある。
 我孫子市、柏市、八千代市ではセルコートアグリを散布していて、評価できる。

 文科省の「学校環境衛生管理マニュアル」には衛生害虫だけでなく、樹木の害虫駆除についても、生息状況を調査すること、発生を見た場合、安易に薬剤による駆除は行わないこと、薬剤による駆除をせざるを得ない場合にあっても、児童生徒等の健康および周辺環境に影響が無いように薬剤の残留性等の性質や毒性等、特徴をあらかじめ確認した上で、休日や夏休み等の長期休暇時に駆除を行う等の配慮が必要である、と記載されている。

これを周知徹底すべきである。

◆屋外スポーツ施設
 屋外スポーツ施設は多くの市民が利用する場所であるにもかかわらず、危険な薬剤を広報もなく何回も散布しているケースが目立つ。特に千葉市のデータについては、すべての施設に同じ薬剤が定期的に同量散布されていたことは危険であり、問題である。

他の多くの市町のデータが欠落していて、判断できていない。

■今後の取り組み
 今後は、①有害な化学物質使用の現状を自治体に警告し、②自治体職員と連携して、保育園、幼稚園、学校、市民が多く集う施設での環境保全対策の確立を目指して活動に取り組んで行く予定です。