・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・2月27日 化学物質問題市民研究会講演会
身の回りにはこんなに有害な物質があふれている
渡辺 雄二(科学ジャーナリスト
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(文責 化学物質問題市民研究会)
■ファブリーズはいらない
『買ってはいけない』を出して、10年以上経ちます。
週刊金曜日では続編を出し続けていて、昨年にはパート6が出ました。『買ってはいけない』は社会現象にもなりましたが、その反動として、健康食品、サプリメントがブームになったような面があって、複雑な心境です。
最近出した本に、『ファブリーズはいらない』(緑風出版)があります。
企業から抗議や脅しがこないかとよく聞かれますが、大手は、違法なことをして自分の首をしめるようなことはしません。
『買ってはいけない』の時も、企業からのクレームは3つだけです。
私の書いたものでは、メルシャンから、亜硫酸塩が入っていることについて、他社のワインにも入っているのになぜうちだけ取り上げたのかということでした。訴訟は起こされたことがありません。
訴訟になっても負けることはないという自信はあります。
次々に不必要、危険な商品が売り出されています。
先日、宇都宮のカプセルホテルに泊まった時、共同浴場に「今日の温泉」と書いてあって、温泉の素「旅の宿 登別」が入っていました。温泉の素に効果はほとんどありません。
私は人工的なにおいや色が不愉快だし、タール系色素なのでからだにも悪いのです。
ホテルにはボディーシャンプーやリンスばかりで、石けんは置いていないので、試しに使ったらヌルヌルしてとれない。
合成界面活性剤をからだに塗っているわけで、皮膚全体が熱を持った状態になりましたが、それは化学物質の刺激だと思います。
普通の石けんを使えばいいのに、企業としてはボディーシャンプーを生産した方が儲かるので、いつの間にかそれが主流になりました。
企業がいろいろな化学物質を使って利益をあげるために、不必要で有害なものがあふれているのです。
ファブリーズは、けっこういい値段がします。
お金は自分の労働の対価なので、一生懸命労働をして、わざわざ不必要なものを買って害を受ける、最悪の場合はがんになる。
そういう理不尽なことが起こっているということで今回、本を出しました。
化学物質は、CASというデータベースがあって、インターネットの日本語版でも調べることができます。
分析されたり化学合成されたりした化学物質が4000万登録されています。
少し前は3000万で、おそらくすぐに5000万になるでしょう。