香料の健康影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html


・香料シンポジウムの記録/ 香料の健康影響
各務原ワークショップ(岐阜県)


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2010年8月11日に岐阜県各務原市(かがみはらし)で開かれた、香料に関する小シンポジウムの記録を紹介します。
主催の"各務原ワークショップ"は、元医科大学医学部の渡部和男先生のもとに市民が集まり、月1回、農薬や化学物質などについて情報収集やその検討を重ねている集まりです。
本シンポジウムでは、渡部先生の「香料の健康影響」論文
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/archiv/chemicals_in_general/fragrance_and_health.pdf を参考にして、会員が分担して発表しました。(編集部)

■はじめに
 香料の好みは個人差が大きく、万人に向くというものはない。

毒性も報告されているが、研究はほとんど進んでいない。

また、表示も"香料"としてしか表示されておらず、市民には情報がない。

■化粧品の定義・成分表示
 化粧品は薬事法で定義されている。

「人体に対する作用が緩和なもの」とされているが、人体に悪影響を及ぼしているという報告がある。

しかし、化粧品による影響は軽いものが多いため、病院に行かない人が多いが、相当多数の人が悪影響を受けているとの報告がある。

ナポリでの研究(Di Giovanni et al. 2006)では、女性の26.5% は化粧品でトラブルがあったが、男性では17.4% であった。95.9% が皮膚に起こったトラブルであったが、全身への悪影響は4.1% を占めた。

皮膚反応で灼熱感(36.2%)やかゆみ(32.9%)などが多かった。

全身症状では、頭痛(40.3%)が最も多く、吐き気(24.2%)がそれに次いだ。悪影響が高い頻度なので、化粧品による影響は系統的に報告し、情報を集め、評価する必要があると述べている。

■香料の代謝・体内分布・蓄積
 ムスク(編集注)が人体から高濃度で検出されている。

高齢者ほど高く検出されるが、それは、高齢者の生活習慣や皮膚の老化、ドライスキンのためにパーソナルケア製品(スキンケア、ヘアケア、口内衛生のための化粧品、医薬品、雑貨などを指す)を多用するためではないかと考えられた。
 また、合成ムスクが母乳からも検出されている。Lingnell et al. (2008) は、初産女性の母乳中のニトロムスク2 種類(ムスクキシレン、ムスクケトン)および多環式ムスク5 種(ガラクソライド, トナライド, セレストライド, トラセオライド、ガラクソライド)を分析した。最も高い中央濃度はトナライドで、次いでムスクキシレンで見られた。
 妊娠中に香水をしばしば用いる母親には高い母乳中ガラクソライド濃度があり、高いトナライド濃度であった母親は着香洗濯洗剤を使っていた。

このことは、着香製品が母親と乳児の重要なムスク被ばく源であることを示している。