愛知県教委がシックスクール対応で通知 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html


愛知県教委がシックスクール対応で通知
子どもの未来と環境を守る会名古屋


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愛知県教育委員会が、新たなシックスクールの被害を未然に防ぐため、平成22年3月9日付「学校における化学物質対策について(通知)」を発出しました。
塗装、防水工事など揮発性有機化合物(VOC)が発生するような工事はできる限り児童生徒がいない状態で行う、資材もできる限り化学物質を放散しないものを使用するなど工事での注意事項と配慮の他、冷暖房時の換気、夏期休業明けの換気、塗料・文具等、トイレの芳香剤等、床ワックス、農薬・殺虫剤等の使用にあたっての留意事項、化学物質に過敏な者への配慮など充実した内容で、関係者に大変感謝しています。

  ■学期中での塗装工事がとても多い!
 名古屋市では、設計と施工が年度内の数カ月で終わる中規模の改修工事は、前年度に診断、2月に予算が決定し、設計が春に入札、施工が秋以降になることが多く、その場合、学期中、子どもが学校にいる状態で塗装工事が行われることがほとんどですが、前年度設計など工夫している自治体もあります。
 化学物質過敏症の児童・生徒の在籍校ではできる限り長期休業中に施工するよう配慮されていますが、実際には難しいこともあり、工期が長かった改修工事では、秋に入札で2学期から3学期にかけて長期間塗装工事が行われました。

塗料はVOCの放散のほとんどない製品になりましたが、他の在籍していない学校では、学期中の工事でもそうした配慮はまずされません。

■他の自治体で続いたシックスクール事故-F☆☆☆☆なら安全か?
 工事の仕様で室内の塗料やベランダ防水剤などF☆☆☆☆が指定されていますが、これはホルムアルデヒドについての規格であり、塗料等で特に問題なのは溶剤で、中にはキシレンやトルエンを含むものもあります。
 03年の建築基準法改正以後もシックハウスによる健康被害の発生は続いており、神奈川県の県立高校では、04年の屋上防水工事で、小さなクラックに溶剤が染み込んで室内空気を汚染、シックスクール事故が発生しました。
 07年の北海道のシックスクールの事例では、原因物質の特定が困難を極め、100物質以上を検証してようやく、国の規制対象物質も、厚労省の室内濃度指針値のある13物質も含まない水性塗料中の成分とわかりました。
 埼玉県では、授業中の塗装工事でシンナーが教室に入り込み多数の児童が救急車で病院に搬送される事故が発生し、教育委員会が平成18年(06年)7月に、塗装工事や補修工事は児童生徒がいない状態で行うよう通知を出しています。

文科省も各自治体も、同様の健康被害が生じないよう対策をとるべきではないでしょうか。

  ■床ワックスもできる限りVOCや有機リン化合物を含まないものを
 床ワックスもVOC発生の問題があり、シックスクール対応として、厚労省の13物質の他、有機リン化合物を含まない製品を各社が開発しています。

ゴーグルやマスク、手袋などをするよう注意書きのある製品を素手でマスクもせず児童生徒が塗布している学校もあること、県立学校でトイレにパラジクロロベンゼンを使用していた学校があったこと、開放型暖房機器は(※平成20年12月の東京都の室内汚染調査結果もあり、エアコンの設置を進める自治体もある)、特に冬期の換気が不十分で困っている発症児童生徒もいたことなどから、工事以外の内容についても配慮をお願いしました。
 また、農薬・殺虫剤等の使用については、県の薬剤適正使用ガイドラインもあり、以前より各担当課に、よりリスクの低い薬剤の選択について加筆を要望、要望内容は広く関係課にも共有されており、今回の記載となりました。
 ガイドラインの改訂も検討されており、担当課の助言もあったとのことで、要望内容だけでなく、子ども等ハイリスク群の問題などについてもたくさんの関係課や議員に情報を提供し、認識を共有していただいたことも、今回の通知発出につながったと思います。

■名古屋市教育委員会の対応は?

名古屋市は政令指定都市で、今回の県の通知の発出先とはなっていないため、通知発出を要望しています。

局内や他局他課との調整が必要なため、県の通知の内容を検討するとのことです。

児童生徒の床ワックス塗布等の問題に関する要望へのこれまでの回答は、校長や養護教諭の会議等機会をとらえて周知していくとのことでした。

以前にも教頭の会議で伝えているのに改善されていないこと、塗装・防水工事が学期中に行われていること、多数の学校で毒性の強い農薬が散布されていたことなど、市立学校の問題であり、教育委員会として対応していただきたいと思います。

なお、シックハウス対策部会の所管課も住宅都市局の関係課も問題を認識しており、保育園や病院、福祉施設等でも同様の配慮が必要で、シックハウス対策の指針やマニュアル作成など全庁的対応も要望しています。

また文科省は、シックスクールマニュアルを作成中ですが、すぐに発出できるかどうかわからないなら、今後の事故を未然に防ぐよう、埼玉県や愛知県と同様の通知を出すべきです。