・2009年2月19日、Medtronic(メドトロニック)社は、重症強迫性障害へのReclaim脳深部刺激療法(DBS)の使用がアメリカFDA(米国食品医薬品局)に承認されたと発表した。
同年7月14日、Medtronic社は、Y-BOCSスコアが30を超える重度強迫性障害(OCD)の治療としてReclaim脳深部刺激療法(DBS)が欧州で承認されたと発表した。
今回の承認により、Reclaimは世界初の精神疾患治療DBS機器となった。
アリゾナ大学の精神科医・Francisco A. Moreno氏等が実施した小規模臨床試験の結果、マジックマッシュルーム(幻覚誘発きのこ)の成分であるサイロシビン(psilocybin)は重症の強迫性障害(OCD)に有用と示唆された。
サイロシビン服用によって、試験に参加した9人の強迫性障害症状はおよそ4-24時間にわたって完全に消失した。
サイロシビンは1970年のComprehensive Drug Abuse Prevention and Control Actによって一般使用が禁止されているが、医学研究で使用することは可能である。
NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニスト [編集]近年の研究において、強迫性障害がNMDA型グルタミン酸受容体と関連していることが判明し、この受容体に対するアンタゴニスト(拮抗薬)が(特に難治性の強迫性障害に対して)治療効果を持つのではないかと予想されている[4]。
NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしては、アルツハイマー型認知症の改善薬であるメマンチンや麻酔薬として使われるケタミンが知られている。
現在のところ、エビデンスが存在しない薬理学上の予測に過ぎないが、米国では既に臨床実験が開始されている[5]。
また、強迫性障害に対する第一選択薬 SSRI は治療効果が限定的であるため、臨床実験の結果次第では NMDA受容体拮抗薬に代替される可能性もある。
一方で、マウスを用いた臨床試験では、フルオキセチンとメマンチンを併用することにより、各々の薬剤を単独使用した場合よりも強力な治療効果が現れたという報告がある[6]。
強迫スペクトラム障害 [編集]
自閉症、アスペルガー症候群、チック、トゥレット障害、抜毛症、自傷行為、醜形恐怖、摂食障害、依存症などの疾患は強迫性障害と広義で関連があるとされており、強迫スペクトラム障害(OCSD)と呼ばれる場合がある。