・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム13
薬物アレルギー・化学過敏症
司会者:飯島正文1), 長谷川眞紀2)(昭和大学医学部皮膚科1), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター2))
MS13-8.抗結核薬投与にてアレルギーが出現し,DLSTを施行した症例に対する治療の検討
上出庸介1,2), 宇津木光克1), 青木 悠1), 松崎晋一1), 関 香織1), 小野昭浩1), 川田忠嘉1), 古賀康彦1), 久田剛志1), 石塚 全1), 土橋邦生3), 森 昌朋1)
群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学呼吸器・アレルギー内科1), 国立病院機構西群馬病院2), 群馬大学医学部保健学科3)
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【背景】肺結核に対する治療は,抗結核薬の複数同時使用が一般的である.
しかし抗結核薬による副作用は決して稀ではなく,またどの薬剤が原因か,判別が時に困難である.
その上,原因薬剤が判明した場合でも,抗結核薬の種類が限られているため同じ薬剤を再開せざるを得ない状況も少なくない.
今回,我々の施設で経験した,抗結核薬で副作用が生じ,薬剤性過敏症症候群(DLST)を施行した症例の結果と,その後の治療につき検討した.
【方法】当院で抗結核薬による治療を受け,何らかの副作用が生じてDLSTを施行した症例につき検討した.
【結果】症例は55歳~85歳の6人(男性4人女性2人).DLST陽性症例は2人で,いずれもINH(イソニコチン酸ヒドラジド)であった.
DLST陽性薬剤及び被疑薬にて減感作療法を施行したところ,5人が再投与可能であった.
なおDLST陰性4例で薬剤を1剤ずつ再投与したところ,3人に副作用再発を認めた.
【考察】抗結核薬の副作用に対し,DLSTは有用性が低い事が示唆された.また減感作療法は有用である事が考えられた.
第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催