局所麻酔薬アレルギーの疑い例におけるチャレンジ・テスト | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム13
薬物アレルギー・化学過敏症
司会者:飯島正文1), 長谷川眞紀2)(昭和大学医学部皮膚科1), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター2))

MS13-7.局所麻酔薬アレルギーの疑い例におけるチャレンジ・テストの検討

山口剛史, 宇田川清司, 佐藤長人, 高久洋太郎, 萩原弘一, 金澤 寛, 永田 眞
埼玉医科大学呼吸器内科


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目的:局所麻酔薬使用時に副作用を訴えるケースに対しては,アレルギー学的な根拠がなくとも局所麻酔薬アレルギーと判断されている場合が少くない.これらのケースでは局所麻酔なし,あるいは全身麻酔下で抜歯が行われるなどの現状がある.

しかし欧米の報告では,実際にアレルギーを有するケースは少数とされる.

今回局所麻酔薬に対するアレルギーの疑いがもたれており,歯科治療を予定する患者について,主にリドカイン・アレルギーの有無を検索した.

方法:1984年にSchartz Mらが報告した方法を用い,プリックテストならびに皮下注射を漸増して行う方式にて,主として即時型アレルギーの有無を皮膚反応を中心に判定した.

結果:主にリドカイン・アレルギーもしくはその疑いと判断されていた20名において,チャレンジテストを施行したところ,17例(85%)で陰性であったが,3例(15%)では皮膚反応が陽性を示した.

陰性であった症例では投与が通常の方に使用する場合のリスクを超えないと判断できた.

陽性となった2例については代替薬であるメピバカインのテストで陰性を示し,局所麻酔が可能となった.

局所麻酔薬のチャレンジ・テストは安全に施行でき,患者のその後の生活にとって利益があると考えられる.

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催