以前掲載してるので緊急用に省略掲載です。
・wikipediaより
気管支喘息(きかんしぜんそく、Bronchial Asthma)とはアレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす呼吸器疾患である。
喘息発作時にはこれらの症状が特に激しく発現し、死(喘息死)に至ることもある。
単に喘息あるいはぜんそくと記す場合、一般的には気管支喘息のことを指す。東洋医学では哮喘(哮は発作性の喘鳴を伴う呼吸疾患で、喘は保迫するが喘鳴は伴わない呼吸疾患である。
双方は同時に見られることが多い為、はっきりとは区別しにくい。
虚証・実証に区別はされるが、気機(昇降出入)の失調で起こる)。
なお、うっ血性心不全により喘鳴、呼吸困難といった気管支喘息類似の症状がみられることがあり、そのような場合を心臓喘息と呼ぶことがあるが、気管支喘息とは異なる病態である。
喘息をはじめとするアレルギーの治療に関して、欧米の医師と日本の医師との認識の違いの大きさを指摘し、改善可能な点が多々残されていると主張する医師もいる[5]。
症状自動車、タバコ、工場の煙等の環境刺激因子(アレルゲン)、寒気、運動、ストレスなどの種々の刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応として気管支平滑筋、気道粘膜のむくみ、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こる。
気道狭窄によって、喘鳴(ぜんめい:喉のヒューヒューという高い音) 、息切れ、咳、痰(たん)などの症状を認める。喘息発作時にはこれらの症状が激しく発現し、呼吸困難や過呼吸、酸欠、体力の激しい消耗などを伴い、時には死に至ることもある。
かぜをひくと症状がひどくなることも多い。
アトピー型の喘息患者が発作を引き起こすのはI型アレルギーにより化学伝達物質が発生するためである。
その誘因は細菌・ウイルス感染、過労、ハウスダスト(埃・ダニ・花粉・カビなど)・食物・薬物などのアレルゲン、運動、タバコ、アルコール、気圧変化、精神的要因[要出典]などさまざまである。
一方、非アトピー型の気管支喘息の病態生理はまだはっきりしていない。だが、肉体的ストレスを含めたストレスが喘息に悪影響を与えているという説はある[要出典]。
検査理学所見
聴診にて、呼吸音で笛声音(wheeze「ウィーズ」, piping rale)が発作時に聴取されることが多い。
ただし必ず発作時に喘鳴が聴取されるとは限らない。症状は気候や時間帯で変化する。
呼吸数増多(英 tachypnea)やチアノーゼ(英 cyanosis)がみられることもある。
気道可逆性試験
気管支喘息の診断には気道閉塞の可逆性を証明することが重要である。β2刺激薬吸入前後、あるいは2-3週間のステロイド内服・吸入前後で呼吸機能検査を行い、1秒量が200ml以上かつ12%以上改善した場合、気道可逆性ありと診断する。
ただし検査時に喘息発作が起きていない場合、気道の可逆性を証明できないこともあるため自宅にピークフローメーターを持って帰ってもらい、ピークフロー値に20%以上の日内変動がみられた場合も気道可逆性ありと診断できる。
病理学的所見
気管支壁に好酸球浸潤と平滑筋肥大が認められる。
アスピリン喘息では鼻茸を合併することが多い。
専門的検査
専門医の下ではコントロール不良例に限り、肺機能の評価、気道過敏性の試験の他、人工気象室での発作程度の評価やエルゴメータでの運動誘発性の評価なども行う場合があるが初期治療の段階ではほとんど行われない。
喘息発作のマネジメント喘息発作は時に、意識障害、死亡することもある緊急事態である。
リリーバーによって改善がみられないため救急部に受診するというのが典型的である。
初期治療としては酸素投与とリリーバー投与となるが、呼吸困難、喘鳴の原因が心疾患など喘息発作以外の可能性があるために注意が必要である。
喘息発作の程度は呼吸困難はあるが横になれ動ける小発作、呼吸困難で横になれないが動ける中発作、呼吸困難で動けない大発作に分類される。
軽度 中等度 重度
呼吸困難 苦しいが横になれる 苦しくて横になれない 苦しくて動けない
会話 通常会話 短い文章 単語のみ
呼吸状態 呼吸補助筋の使用なし 呼吸補助筋の使用あり 胸骨上部陥凹
PFE値 >80% 60~80% <60%
SpO2 >95% 91~95% <90%
治療薬物療法(対症療法)気管支喘息治療薬は「長期管理薬」(コントローラー)と「発作治療薬」(リリーバー)に大別される。
発作が起きないように予防的に長期管理薬を使用し、急性発作が起きた時に発作治療薬で発作を止める。
発作治療薬を使う頻度が多いほど喘息の状態は悪いと考えられ、長期管理薬をいかに用いて発作治療薬の使用量を抑えるかということが治療の一つの目標となる。
長期管理薬では吸入ステロイド薬が最も重要な基本薬剤であり、これにより気管支喘息の本体である気道の炎症を抑えることが気管支喘息治療の根幹である。
重症度に応じて吸入ステロイドの増量、経口ステロイド、長時間作動型β2刺激薬(吸入薬・貼り薬)、抗アレルギー薬、抗コリン剤などを併用する。
長期管理薬を使用しても発作が起こった場合は、発作治療薬を使用する。
発作治療薬には短時間作動型β2刺激薬、ステロイド剤の点滴などが使われる。
1997年、β2刺激薬であるベロテックエロゾル(臭化水素酸フェノテロール)の乱用による死亡者増加が日本において大きな問題となった。
これはβ2刺激薬の副作用によるものとは言えず、β2刺激薬の吸入により一時的に症状が改善するために大発作に至る発作でも病院の受診が遅れたことが主因と考えられている。
抗炎症薬経口ステロイド薬
1950年代にコルチコステロイドが精製されるとすぐに喘息の治療に用いられた経歴がある。
気管支拡張薬で反応しなかった重度の喘息でも極めて有効であったが、長期にわたって全身投与を行うと多くの有害な副作用が出現するため、現在は緊急時の短期間投与のみが行われる。
例外としてはステロイド依存性喘息であり、やむをえず、長期ステロイド全身投与を行う。民間療法でステロイドの有害性を過度に強調する情報があるが、これらは吸入ステロイドをはじめとする現在の治療ができる以前の報告である。
吸入ステロイド薬(ICS)
現在ガイドラインでも推奨されている第一選択薬のひとつ。
強力な抗炎症作用を持ち、コントローラーとして用いられるものが多い。
起こってしまった発作を改善させる作用は期待できない。
(シムビコート®を除く(このような使用はしないように注意喚起されている(添付文書))) 吸入ステロイドとしてはバイオアベイラビリティ(吸収されて血流中に残り、全身に分布する量)が低い薬剤が用いられるため、全身性の副作用(高血圧、肥満、骨粗しょう症、身長の伸びの抑制など)は殆どないと考えられている。
薬物量においても全身投与ではmg単位必要であるのに対して吸入ではμg単位で治療が可能である。
吸入薬としての副作用としては嗄声、口腔内カンジダなどが起こりえる。
吸入薬とはいえ、フルチカゾンで1000μg/dayを超える高用量では全身性の副作用が出現することがある[要出典] 。
しかし通常の使用法ではまず考えられない。
吸入後はうがいをして口腔内から薬剤を洗い流すか吸入を食前に行い、食事によって口腔内のステロイドを洗い流すことでこれらの副作用のリスクを減らすことができる。ICSを低用量から高用量へ増量するよりも低用量ICSにLABAやLTRAを併用した方がコントロールが良くなる傾向がある。
このような報告や吸入薬は全身影響が少ないこともあり、合剤が販売されるようになっている。
合剤の代表がアドエア®、シムビコート®である。