子どもの注意欠陥多動症(ADHD)は有機リン系農薬と関係がある | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html


・Reuters Health 2010年5月17日
子どもの注意欠陥多動症(ADHD)は有機リン系農薬と関係がある

情報源:Reuters Health, May 17, 2010
ADHD in kids tied to organophosphate pesticides
http://www.reuters.com/article/idUSTRE64G41R20100517

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
掲載日:2010年5月20日


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【ニューヨーク(Reuters Health)】 新たな研究によれば(訳注1)、有機リン系農薬に曝露した子どもは、注意欠陥多動症(ADHD)になりやすい。

 研究者らは、子どもたちの尿中の農薬分解物質を追跡し、それらのレベルが高い子どもたちは検出されなかった子どもたちに比べてほとんど2倍、ADHD になりやすいことを発見した。

 この発見は、一般米国民からのデータに基づいており、農薬への曝露は子どもたちの環境中で普通に見出されるレベルであっても有害であることを意味している。

 ”これらの農薬がADHD に関連しているかもしれないという懸念が増大している。

この論文が特に強調していることはこのことは低濃度であっても真実かも知れないということである”と、この研究を行なったハーバード大学公衆衛生校のマーク・ワイスコフは述べた。

 有機リン系農薬は、最初は化学戦争用に開発されたものであり、それらは神経系に有毒であることが知られている。

アメリカにマラチオンのような有機リン系農薬が約40種類、登録されていると研究者らはジャーナル『Pediatrics』に書いた。

 ワイスコフは、この化合物はADHDに共通する行動症状(例えば、衝動性や注意欠陥)に関連しているが、正確にどのように関連しているのかは完全には理解されていないと述べた。

 研究者らは、彼らが発見した分解物質の源を決定する方法は持っていないが、犯人は農業用及び屋内で使用される農薬と殺虫剤であることはおそらく間違いないとワイスコフは述べた。

 クロルピリホスとして知られる有機リン系農薬を製造しているダウ・アグロサイエンス(Dow AgroSciences)のガリー・ハムリンは、この報告書を詳しく読む時間がなかったと述べたが、彼は、”その論文中で報告されている結果は、我々の製品クロルピリホスとどのような特定な関係をも確立していない”と付け加えた。

 ワイスコフと同僚らのサンプルは8歳~15歳の1,139人の子どもたちを含んでいる。

彼らは、子どもたちの母親やその他の保護者とインタビューを行い、約10人に1人がADHDの基準を満たし、それは一般集団における見積もりと一致する。

 性、年齢、人種などの要素を考慮した後、彼らは農薬分解物質のレベルが高いとADHDになる確率が高くなることを発見した。

 これらの化合物のひとつのクラスが10倍増加すると、ADHDの確率は0.5倍以上増加した。

最も一般的な分解物質であるリン酸ジメチルにつては、ADHDの確率は、検出可能なレベルの化合物を持たない子どもたちに比べて、平均以上の濃度の子どもたちはほとんど2倍であった。

 ”それは非常に強い関連性があり、もし真実なら、非常に深刻な懸念がある。

これらは広く使用されている農薬である”とワイスコフは述べた。

 彼は、この農薬を禁止することを検討する前に、もっと多くの研究、特に時間経過に伴う曝露レベルが必要であると強調した。またどのような農薬を家の周囲で使用しているのか、どのように農産物を洗浄しているのかを両親は知るべきであると強く促した。

 ”果物や野菜を食べる前によく洗うことは、大いに役立つことは間違いない”と彼は述べた。