・wikipediaより
統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつじんかくしょうがい)またはスキゾイド型人格障害(スキゾイドがたじんかくしょうがい、Schizoid personality disorder, SPD, 稀にジゾイド型人格障害)とは、DSMの人格障害のなかで、大きな区分である「クラスター A」に属する一型である。社会的関係への関心のなさ、孤独を選ぶ傾向、そして感情的な平板さを特徴とする。
ちなみに統合失調症といかにも関係がありそうな名前であるが、スキゾイドは「社会的に孤立していて対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味関心がないように見える」という性格特徴を表す言葉であって、統合失調症とは違うものであり、統計学的にも統合失調症質人格障害の人が統合失調症になりやすいという証拠は出なかった。また、本症は身の回りへの興味・関心がないだけで、対人恐怖症や、社会問題になっているニートやひきこもりとも違うものである。
2002年までは分裂病質人格障害と呼ばれていたが、精神分裂病が統合失調症へと変更されたのと同時に呼称が変更された。
診断 [編集]ICD-10では、統合失調質(スキゾイド型)人格障害は次の診断基準のうちの少なくとも3つ以上を満たすことで診断される。
情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情
積極的なものであれ消極的なものであれ、感情というものを他人に伝える能力が限定されている一貫して孤立した行動を好む親しい友人や恋人が(もしいたとしても)ほとんどおらず、そういった関係を望まない賞賛にも批判に対しても無関心にみえる喜びを感じられる活動が、もしあったとしても、少ししかない
社会規範や慣習への無関心
空想や内省への没入
夫婦生活に興味を抱かなく、独身を貫く
親、兄弟、親族とさえ、親しい関係を持とうとせず、関わりを持っても楽しいとは思はない
人と会っても親しさを出さず、よそよそしい
特徴 [編集]この障害の特徴は身の回りへの興味・関心と自己表現力の欠如である。
人との交流を避け、口数は少なく、抑揚も乏しく、よそよそしい。
そして、人と深く関わることによって自分と相手が変化することを怖れる。相手にのみこまれ自分の独立性を失ってしまう恐怖におびえる。
そこで、他人との関わりを避けるのだ。彼らの心には、よく知らない人と親密であるという不確かな(空想の)観念が存在することがある。
彼らの反応には攻撃的な行動はめったにないため、ほとんどの脅威は、現実のものであれ想像のものであれ、空想上の全能感もしくはあきらめによって処理される。
彼らはしばしば孤独に見える。
しかし時に、このような人は独創的、創造的な観念を抱き、それを展開して世間に提示することがある。
性格は、非社交的で静寂、控えめ、そして無頓着である。
仕事では、コツコツと成果を上げ、評価されるが、自分が納得すればそれでよく、「嬉しい」という感情が起きない。
少年期~青年期に「私はこれがやりたい」など、自分の意志を両親など周りの大人から否定(もしくは過干渉)され続けて育ち、自分の意志を表現しようとは思わなくなった(あきらめた)人に多くみられる。[1]
本人は、本症によって、生活する上で困ることが何一つないため、カウンセリングなどを受けに行くことはなく、また行ったとしてもすぐ診療をやめてしまう。しかし、それによって、他人に迷惑をかけることはないので、本人が困っていなければ、診療をする必要はない。[2]
動物や幼児を手懐けることには長けていることがある。[3]
自分の意志を言語化する能力に劣っている代わりに、非言語的コミュニケーションに秀でているためという解釈も出来る。
症状が似ている広汎性発達障害との鑑別に苦慮することもある