睡眠相後退症候群2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 生理学 [編集]詳細は「概日リズム睡眠障害」を参照

DSPSは体の時間調節機能―生体時計の障害である。

体が日々、睡眠覚醒の時計を調節する能力が弱くなっていることが原因であると考えられている。

DSPS患者は、通常より長い概日リズムの周期を持っているか、または光によって体内時計が調節される反応が弱くなっているのかもしれない。

通常の概日リズムを持つ人は、前日に十分睡眠をとれていない場合は、夜になればすぐに眠ることができる。

早く眠れば、自動的に体内時計が前進することになる。これとは対照的に、DSPS患者は、たとえ断眠後でも、彼らが普段眠る時刻になるまでは眠ることができない。

普通の人と違って、DSPS患者の概日リズムは、断眠によって調節されないと研究によって示された[7]。

DSPS患者は彼らの体内時計の位相が一般社会のそれは異なっているため、寝起きすることに困難を感じる。

夜間勤務に体調が合わない通常の人にも同様の症状が現れる。

DSPS患者はメラトニン分泌や深部体温の最低値など睡眠覚醒サイクルに対応する概日リズムの指標にも遅れが見られる。

眠気、自発的な目覚めなどの体内時計の指標はすべて同じ時間だけ遅れている。

非低下血圧型(注;訳者の造語)(Non-dipping blood pressure patterns;一日の血圧変化において、昼間に対する夜間の血圧低下が10%未満と少ない型)も、社会的に受け入れがたい睡眠覚醒サイクルと同時に見られた場合は、DSPSと関係がある。

多くの場合、DSPS患者の体内時計の異常の原因は分からない。DSPSは家族性である傾向がある[8]。

DSPSにhPer3(human period 3)遺伝子が関与しているという証拠が増えて来ている [9] 。DSPSや非24時間睡眠覚醒症候群が頭部外傷後に発生したいくつかの症例が報告されている[10][11] 。

DSPSが非24時間睡眠覚醒症候群(毎日眠る時刻が遅れてゆく病。

DSPSより重篤で、患者を衰弱させる)に発達した例もいくつかある。


診断 [編集]DSPSは、医師による問診と3週間以上のアクティグラフ(actigraph)や睡眠記録(sleeplog)による活動測定によって診断される。

DSPSは頻繁に誤診されたり見逃されたりする。

もっともよく原発性の精神障害と誤診される睡眠障害として名前が挙げられている[12]。

DSPSはよく精神心理学的な不眠症、うつ病、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD、ADD)、その他の睡眠障害、登校拒否のような意図的な行動と混同される。

睡眠医学の開業医は、がっかりするほどDSPSが正しく診断される率が低いと指摘し、医師が睡眠障害についてよく教育を受けること望んでいる[13]。


患者への影響 [編集]一般の人々の障害に対する認識不足のため、DSPS患者はしつけが悪い、または怠惰な人であると固定観念で判断され、辛い経験をしている。

患者の親は、子供に適切なリズムで生活させないことに対して非難されるかもしれない。

また学校は遅刻、欠席、居眠りの常習者に厳しく、彼らが慢性的な病気を持っていると判断できない。

2004年の睡眠が健康に及ぼす影響に関する 世界保健機関(WHO)の会議で、睡眠の専門家は次のように述べている。

“ 中長期的な影響は…特にDSPSで知られている。

DSPS患者は慢性的な睡眠不足と、睡眠負債による行動力や認知能力の低下に見舞われる。アルコールや他の薬物の乱用が増加し、若い患者の中には犯罪傾向を示す者もいる。精神障害、特に季節性感情障害、原発性うつ病、双極性感情障害と概日リズムとは、関連が強いと分かった[14]。 ”

DSPSに苦しむ人が正しい診断を受けるまでには、何年もの間、誤診されたり、怠け者で無能な社員や生徒と決め付けられたりしていることが多い。

概日リズム睡眠障害と精神病との誤診は、患者と家族の相当な苦しみの原因となり、患者の一部は不適切な向精神薬を処方されることになる。

多くの患者にとって、DSPSと診断を受けること自体が人生を変える突破口となるのである[15]。