・対策Ⅱ 換気設備設置の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられています。
例えば住宅の場合、換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
対策Ⅲ 天井裏などの制限
天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次の①~③のいずれかの措置が必要となります。
①建材による措置
天井裏などに第1種、第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない(F☆☆☆以上とする)
②気密層、通気止めによる措置
気密層又は通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する
③換気設備による措置
換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする
2 クロルピリホス対策
クロルピリホスは有機リン系のしろあり駆除剤です。
居室を有する建築物には使用が禁止されています。
国土交通省ホームページ「建築基準法に基づくシックハウス対策について」より
Ⅱ 揮発性有機化合物(VOC)の放散量の規格
トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)の材料ごとの放散量については、建材のJIS規格でホルムアルデヒドと同様に、放散量の規格化の流れではありますが、現時点では、規格化されていません。
材料ごとにMSDSをメーカー等から入手し、揮発性有機化合物(VOC)の放散量がないもの、または少ないものを選ぶ必要があります。
なお、MSDSにおいてトルエンやキシレンなどの表記がない場合でも石油の精製過程で生まれる石油化学製品の原料である「ナフサ、灯油」などについては、工業用など純度低い場合に、トルエンやキシレンなどが放散する可能性があることに留意する必要があります。
また、1%以下の化学物質はMSDSに記載義務はありませんが、室内での使用量が多い場合、総量として無視できない場合があります。
塗料や接着剤などには、トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物が溶剤などとして含まれている場合があります。
塗装表面が硬化して塗膜ができる時間は、塗布してから1週間程度で、硬化中に放散量は急激に低下します。同じく、接着剤に含まれているものも、表面では塗布後3日間程度で放散量は低下します。
しかし、建材内部に含まれる物質の放散は表面からの放散と比較すると長く続きます。
施工後、時間とともに放散するので、時系列の放散量のデータを確認することも有効です。
しかし、室内用の塗料や接着剤の選定に当たっては、トルエンやキシレンなど芳香族炭化水素系の溶剤を使用したものを用いることはできるだけ避ける必要があり、水性系のものを使用するなどの配慮が必要です。
また、塗料や接着剤などには、トルエンやキシレン以外の物質が溶剤として含まれている場合もあるので、MSDSで確認する必要があります。
(MSDSシートの例)
作成日2000年1月1日
化学物質等安全デ-タシ-ト 改訂日2001年1月1日
1.製品及び会社情報
製品名 接着剤A
会社名 ○○工業㈱
住所 東京都港区○○○1-1
担当部門 安全部
担当者 日本一郎
電話番号 03-5555-1111 FAX番号 03-5555-1112
製品コード 9001
緊急連絡先 03-5555-2222
整理番号 AD9-001
化学物質等安全デ-タシ-ト
2.組成、成分情報
単一製品・混合物の
区別: 混合物
化学名: クロロプレン系接着剤
成分 化学式 CAS番号 官報公示整理番号 含有量
(化審法・安衛法)
トルエン C6H5CH3 108-88-3 (3)-2 10%
n-ヘキサン C6H14 110-54-3 (2)-6 25%
アセトン CH3COCH3 67-64-1 (2)-542 3.0%
メチルエチルケトン CH3COC2H5 78-93-3 (2)-542 10%
ジクロロメタン CH2Cl2 75-09-2 (2)-36 10%
(別名:塩化メチレン)
シクロヘキサン C6H12 110-82-7 (3)-2233 15%
クロロプレンゴム-(C4H5Cl)n - 9010-98-4 (6)-743,745,747 25%
含有量については製品規格上、記載順に次のような幅で変動することがある。
5~15%、20~30%、1~5%、5~15%、5~15%、10~20%、20~30%
危険有害成分:ジクロロメタン
3.~16(. 略
経済産業省ホームページ「化学物質排出把握管理促進法」より