・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム6
アレルギー性鼻炎―病態生理と治療1―免疫療法を中心に―
座長:岡野光博1), 洲崎春海2), 久保伸夫3)(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学1), 昭和大学医学部耳鼻咽喉科学2), 大阪歯科大学耳鼻咽喉科学3))
MS6-#1.すぎ花粉情報の花粉数分類の医学的検討
奥田 稔1) 大久保公裕2) 後藤 穣3)
日本臨床アレルギー研究所1) 日本医科大学耳鼻咽喉科2) 日本医科大学北総病院3)
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目的:すぎ花粉情報における花粉数分類の医学的根拠に乏しいので,患者症状と分類の関係を検討した.
方法:2008年2月20日から4月6日に当科来院患者で東京または近辺居住の前無処置,アレルギー日記完全記入の患者20名の毎日の症状スコア(3,5段階)と対応する毎日の落下花粉数(ダーラム)と容積自動測定花粉数(KH3000)およびそれぞれのスコア(5段階)を初期,中,後期別に線形回帰分析した.
花粉数は東京都福祉保健局により容積法は一日数に換算し,測定地以外の居住者は近辺の測定地を代用した.
結果:落下花粉数は容積の約0.5でこれをもとに自動測定スコアをきめた.
症状スコアは落下,容積花粉数,それぞれのスコアとの決定係数はたかく,p値<0.001であつた.
後期は初期,中期に比し係数が小であつた.
考察,結論:落下,容積花粉数の分類は妥当だが,ヒノキ花粉の混在する後期には検討の余地があつた.
花粉情報花粉分類に医学的根拠を提供した.
しかし地域差,年次差,自動測定器種類差の可能性があるので,結論を急ぐべきではない.
無処置の日記完全の対象をうるのは困難であるが,克服すべき問題である.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催