・ミニシンポジウム5
気管支喘息―診断と管理2―難治病態と発作への対応―
座長:中島宏和1), 杉山温人2), 平田健雄3)(近畿大学医学部奈良病院呼吸器・アレルギー内科1), 国立国際医療センター呼吸器科2), 静岡市立静岡病院3))
MS5-15.人工呼吸管理を要した高齢者気管支喘息重積発作の3例
森川美羽 梅田幸寛 上坂太祐 飴嶋慎吾 石崎武志
福井大学医学部呼吸器内科
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【緒言】喘息死亡は近年の治療の進歩に伴い減少しているが,65歳以上の高齢者の死亡者数は依然として多く,高齢者社会の到来で,より問題となっている.
【症例1】78歳,女性.喘息の診断加療歴なし,意識障害にて救急搬送された.来院時呼吸停止しており,人工呼吸管理となった.理学所見,画像検査より気管支喘息と診断された.
【症例2】82歳,男性.喘息の診断加療歴なし,呼吸困難にて救急搬送された.来院時CO2ナルコーシスをきたしており,意識障害を呈し,呼吸音は消失していた.
人工呼吸管理となり,画像所見が気管支喘息の診断契機となった.
【症例3】69歳,男性.肺気腫,気管支喘息の診断にて近医で在宅酸素療法を受けていた.
慢性呼吸不全の急性増悪の診断で近医で酸素投与を受けた際CO2ナルコーシスとなり当科へ救急搬送され,非侵襲的陽圧換気療法を行った.
3例ともに喘息発作の治療を行い,早期に人工呼吸療法を離脱,喘息管理を行うことにより以後の発作は起こしていない.
当科で経験した,人工呼吸管理を要した高齢者の重積発作の3例を報告し,診断の契機や発作改善後の管理について考察する.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催