鉛のライフサイクルとレジ袋問題2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・◆レジ袋に含まれる鉛量の把握とフローの推定
 世界の鉛の全消費量は約590万t/年(2003)であるが、うち78%が鉛蓄電池、ついで無機薬品8%となっている。自動車用鉛蓄電池以外はほとんど最終製品のフローが不明である。
 今回の実験と、京都市で毎年実施している京都市家庭ごみ細組成調査で回収されたレジ袋総計約2500枚を対象に蛍光X線分析を用いて鉛量を測定し、フロー量を推定した。
 今回の調査では、レジ袋に含まれる鉛の濃度は0ppmから16,000ppmまでの幅があった。

鉛が100ppm以上検出された袋は、いずれも袋本体に着色されたもので、どの色だから必ず検出されるというものでもなかったが、色によって鉛の検出率に差があったことから、顔料として鉛が使用されていると考えられる。検出率が高かった順に、橙60.0%、緑29.4%、赤23.5%、茶19.0%、黄15.4%、その他5.9%、青0%であった。

 ちなみに、高濃度の鉛が検出されたレジ袋を使用していた企業8社に対して、その旨の報告と仕様の見直しのお願いを文書にして送ったが、対応はさまざまであった。しかし、その後の調査では、うち5社のレジ袋から鉛が検出されなくなったので、企業への告知の成果と考えられる。

◆レジ袋由来の鉛量の推算
 京都市家庭ごみ細組成調査(H18年度)から求められるレジ袋の使用枚数は約5億枚(4,200 tのレジ袋が1枚約8グラムと仮定)で、全国換算では約400億枚であった。

一方、自治体別レジ袋使用枚数のデータ(平均6.11枚/人・週)に基づいて全国で1年間に使用されるレジ袋の枚数を推定すると約405億枚となり、両者の推定はほぼ一致する。
 レジ袋の色別鉛含有量とその色の使用率をかけて京都市におけるレジ袋由来の鉛量を推算すると、0.96~2.2トン/年、全国のレジ袋由来の鉛量は84~196トン/年と推定され、これは焼却対象ごみに含まれる鉛の20%程度を占める。 

◆レジ袋の鉛削減など、質的な3Rの展開が必要
 以上、今回の調査から、プラ手さげ袋(レジ袋)については鉛などの重金属類を高濃度に含むものがあること、レジ袋の排出に伴って国内で焼却されている鉛量は100~200ton/年となることがわかった。

重金属類制御といった観点からはこれらの3R展開、代替製品の使用・鉛フリーレジ袋への転換など早い総合的対処が求められる。


runより:滋賀県の友人の実家でレジ袋を作る工場をしてたのですが閉鎖してしまいました。

あると便利なレジ袋ですが、こんな問題があったんですね。