入門・重金属問題―その3「カドミウム」2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・●カドミウムの生産・消費・リサイクル
 カドミウムは、亜鉛を製錬するときに副生成物として生産されます。

亜鉛鉱石の中には亜鉛の量の百分の一から二百分の一程度のカドミウムが含まれています。
 世界のカドミウム総生産量(2007年)は17,441トンで、主な生産国は韓国(世界総生産量の20.1%)、中国(17.2%)、日本(11.1%)、メキシコ(9.1%)、カナダ(8.0%)で、日本の生産量は1934トンでした。
 カドミウムは、かつて顔料、塩化ビニルの安定剤、電池、合金、メッキ、整流器など多用されていましたが、現在はその9割以上が電池(ニカド電池)です。カドミウムの特殊な用途として、中性子をよく吸収することから原子炉の制御棒に用いられています。

またテルル化カドミウムを用いた太陽電池は、エネルギー変換率が良いことから最近注目されているようです。
 表1に「国内需要の推移」(主要7社の集計値)、図1に「カドミウム消費量の推移」を示しました。

かつて日本のカドミウム消費量はアメリカを凌いで世界第1位でしたが、最近は3位となり、替わって中国が第1位となっています。
カドミウムの主な用途であるニカド電池は、一度に大きな電流を取り出すことができるなど優れた特性を持つことから電動工具、シェーバー、電動歯ブラシ、コードレス電話、非常用電源などに現在も使用されています。
 ニカド電池などの二次電池は資源有効利用促進法により製造メーカ等に回収・資源化が義務づけられています。

経産省の資料によると2004年度のニカド電池回収量は975トンで、うちカドミウムは205トンでした。

カドミウムのリサイクル率は従来30%程度といわれていましたが、実際はこれより遙かに低く一桁台の可能性があります。

実態の把握と併せ、リサイクル率の大幅な向上が求められているといえます。

表 図をクリックして拡大してご覧下さい

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