・ニ
電気鉛・再生鉛の国内需要 (t)
2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
蓄電池 201,148 194,713 160,67 8 135,829 264,855
無機薬品 20,134 20,609 25,861 19,408 11,865
再生 9,871 8,584 6,647 8,054 11,659
鉛管板 3,300 3,349 3,058 3,594 2,591
はんだ・
銅合金塊 9,168 8,644 8,727 7,229 7,258
その他 9,332 12,551 10,701 7,930 7,492
輸出 14,667 10,984 7,922 8,682 7,879
合計 267,620 259,434 223,594 190,726 313,599
出所:経済産業省調査統計部「鉄鋼・非鉄金属製品統計年報」
●鉛の毒性
鉛の毒性としては、造血系への影響(貧血)、神経系への影響、腎臓への影響、生殖発生毒性、消化器系への影響などが報告されています。
また、鉛には生物蓄積性があり、ヒトの体内では骨に蓄積することが知られています。
近年、多くの国で作業環境が改善され、鉛中毒の症状はほとんど見られなくなりました。
その一方で、最近は、胎児や小児への低濃度曝露による影響(知能指数の低下、活動過多・注意力減少、聴力の低下など)に注目が集まっています。
特に、子どもは、大人と比べて、q体重当たりの鉛摂取量が6倍以上も多い、w胃腸管からの鉛の吸収率が4倍以上大きい、e手についたものを口にする行動が多いので、土壌・粉塵中の鉛の摂取量が約3倍多い、ことが知られています。
こうしたことから、鉛のリスクを考える場合には、特にリスクが高いグループとして、胎児、小児に配慮する必要があるとされ、子どもの血液中の鉛濃度レベルを10μg /dl以下にすることが世界的な基準となっています。
●鉛汚染に関する事例
最近の鉛汚染に関する事例をいくつか紹介してみましょう。
①土岐市で中国製食器から食品衛生法の基準を超える鉛検出、出荷済み3万個の回収が命じられた(毎日新聞2006年3月12日)
②東京都の調査で市販の金属製アクセサリー類の中に高濃度の鉛を含有・溶出するものがあることが判明(2006年3月)
③アメリカ・ミネソタ州で4歳の男児が景品のブレスレットを誤飲し、鉛中毒により死亡(2006年2月)
④ソニー・クリエイティブプロダクツ社の中国製玩具「きかんしゃトーマス」木製レールシリーズの塗料に米国の基準値を超える鉛検出、自主回収(2007年6月15日)
⑤米トイザラス、中国製のクレヨン、絵の具入りの絵画セットから規定量を超える鉛検出、約2万7000個の回収を開始(NIKKEI NET 2007年8月31日)
⑥米マテル社、中国製玩具のバービー人形のアクセサリーなどの塗料から大量の鉛検出、67万5000個の回収を開始(CNN 2007年9月5日)
⑦札幌市内で中国製土鍋から膜状の鉛が溶出、自主回収(2007年1月)
⑧日産自動車の記念品の中国製タンブラーの蓋部分に基準値を超える鉛成分含有、自主回収へ(プレスリリース 2007年9月7日)
⑨ベネトンの中国製ガラスまな板の裏面の塗料から欧州基準値の14倍の鉛等を検出、自主回収へ(週刊フライデー 2008年3月7日)
⑩京都市内の百貨店やスーパーなどで使用されている色付きレジ袋から鉛検出、京都市使用自粛を要請(読売新聞2007年5月26日、2008年3月29日酒井氏講演資料より)