・●生活環境における農薬などの使用規制を求めて
辻 万知子(反農薬東京グループ)
2003年に施行された改定農薬取締法は、無登録農薬の禁止、使用基準違反に対する罰則など評価できる面もあります。
しかし、生活環境での農薬使用の規制に関しては、むしろ後退しました。
そこで、私たちは、化学物質過敏症患者を始めとする農薬弱者からの声を集めて、03年4月に農水省、環境省と交渉を行いました。
農水省は、同年9月に「住宅地等における農薬使用について」という消費・安全局長通知をだし、生活環境での農薬使用について、努力義務を課しました。しかし、実際に農薬散布を行う防除業者への周知が徹底しておらず、各地で今年も散布が行われました。
反農薬グループは、今年8月に、この通知の充実を求めて農水省に要望しました。
環境省は9月に、地上散布時の農薬飛散・大気汚染調査を来年度から行うと発表しました。
●飼ってはいけない!化学物質政策の見直しに後向きな国会議員と官僚。
村田幸男・世界自然保護基金日本委員会
世界自然保護基金日本委員会では、『有害な化学物質を避けるためのやさしいガイド』を発行しました。
これは、家庭の中の化学物質について、リビングや寝室、子ども部屋、バス・トイレ、キッチン、庭のそれぞれの場所ごとに、どんな化学物質があり、リスクを減らす具体的な方法を記述したものです。
従って、実用的なガイドとしても使う事ができます。
が、私たちの本当の狙いは、別のところにあります。
化学物質に関し私たちのような素人が、一つずつチェックしなければならないような、そんな社会制度に対する疑問を読者に持ってもらいたいということです。
素人が安心して暮らせないのは化学物質政策に問題があります。
そんな化学物質政策の見直しに後向きな国会議員と官僚を“飼ってはいけない”と思います。