低周波音問題の現状とその実際例7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2 低周波音の実際
かつては、苦情の発生源は工場、事業場などからのもので、その内容もほとんどが建具等のがたつきでしたが、工場、事業場などの音源対策が進み、また、住宅構造の高剛性化が進んだことから、最近では、発生源は室外機、変圧器、風力発電施設等からのものに変わり、苦情の内容も心身に係る苦情が主体へと変化して、また、最近急激に苦情の件数が増え始めてきています。

それから、身の回りには、低いレベルから高いレベルまで、低周波音は、存在をしているということが分かっています。
処理の事例ですが、ある新幹線の駅の屋上にボイラーと冷凍機室外機がありまして、そこから120~130メートル離れたところに2階建ての木造住宅がありまして、住んでいる方から苦情があったわけです。

この方に相談して、産総研の実験室で測ってもらいましたが、この方は非常に閾値が低い方でした。

それで、この方にどうしたら解決できるかという話をしました。

というのは、全停止時では、暗騒音の方が高かったわけです。

その方は、かすかに聞こえているある周波数成分についてその周波数成分だけを下げてくれればいいですよと言ってくれましたので、その周波数成分を下げて、解決をしたということです。

また、幼稚園で、ボイラー室と排気用ダクトから低周波音が発生しているということで、近くの住宅から苦情が出ました。

50ヘルツと63ヘルツが卓越しているということで、最終的に消音器をつけて、減音したという事例もあります。
環境省が昨年度、愛知県の田原市の風力発電施設で騒音・低周波音の調査をしました。
近場の施設から125メートルのところ、住宅の外、住宅の中で測りました。その結果は、遠くなっていくと、騒音の領域の高い周波数成分のほうへ移っていくということです。

ですから、離れていけば、機械的な音よりも回転による音が主力になってくるということが言えます。
低周波音に関する国際会議がありまして、国際的にも問題が風力発電のほうへ移ってきています。

日本の場合は、内容がイギリスとよく似ております。

イギリスで問題が起きれば、日本も同じようなことが発生するというような、そういう感じを持っています。
また、各国の評価の仕方が非常に異なっており、これを統一することがいいのかどうかというようなことも議論しなくてはいけないわけです。

日本の参照値と各国のものを比較すると、日本よりも、閾値が低いところもあるけれども、高いところもあるということで、日本は真ん中ぐらいをとっているのではないかと思っています。
最後に、まとめますと、超低周波音については、一般的な生活においては、低い音圧レベルであるため、人体に影響を与えるほどではないこと、可聴音領域の成分では閾値を超える可能性があり、個人差により苦情内容が異なっていること、測定方法と評価方法は不確実的ですが、合理的な範囲の中で判断することが重要であること、風力発電施設を設置する場合には、自発的に環境影響評価を実施し、万全を期することが肝要であること、心身への影響に関しては医学的な見地からの協力も重要であるということ、こうしたことが言えるかと思います。