シックスクール対策連絡協議会報告書18 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・(1-2) 調査方法
早稲田大学田辺研究室で開発したADSEC 法により、各部位の放散速度を測定した。

測定はダブルサンプリングで行った。

ただし、巾木のみ器具の設置の都合上、シングルサンプリングとした。測定条件を表4-22に、ADSEC 法による測定例を図4-17 に示す。

測定する化学物質はトルエン、キシレンなどのVOCs とし、6月12~13 日の24 時間行った。

(2) 調査結果トルエン、キシレンの測定結果を表 4-23、図4-18 に示す。

なお、パラジクロロベンゼンについては全ての部位で検出限界以下だった。

巾木以外の値はダブルサンプリングの平均値である。なお、測定時の平均温湿度は、25.6°C, 68%RH であった。

また、表4-24 に放散速度測定値と表面積から算出した測定部位毎の総放散
量を、図4-19 に測定した各部位からの合計放散量に対する各部位の放散量の割合を示す。

  表4-24 図4-19 図をクリックして拡大してご覧下さい化学物質過敏症 runのブログ-4-22


・トルエンは天井の放散速度が高く、他は概ね 50μg/m2h と同程度の放散速度であった。

天井が高かった原因として、FLEC 法による測定結果と同様の理由が考えられる。

SOP 塗料が塗られている部位は、鉄骨ブレースとドア、窓台、巾木であるがどれも放散速度はほぼ等しく、天井や塩ビ床、壁に比べて放散速度がは低かった。

FLEC 法による結果と同様に、ほぼ一様に放散していることから、各建材に吸着、拡散したトルエンが二次放散していることが考えられる。

また、FLEC 法による測定結果とほぼ同様の傾向で、放散速度が高い天井、面積の大きい壁、床に対する改善策が有効と考えられる。

キシレンに関しては、床を除いてトルエンよりも放散速度は低かったが、各部位の傾向はトルエンと同様であった。