【環境ホルモン研究の最先端】7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ケミレスタウンプロジェクトで環境改善型予防医学実践へ
 化学物質濃度が高い母親から生まれた場合には当然胎児にそれらがへその緒を通して入っていきますので、その結果、何らかの健康への悪影響が生じる可能性があります。

それは、命が失われるような重篤な影響ではないかもしれません。アレルギーが増える程度のものかもしれません。

しかし、現在小学生の3割から4割がなんらかのアレルギー症状を持っていること、過去30年程度でアレルギーが急増したことは、環境からの影響を受けたと考えるのが妥当です。

もちろん化学物質だけが問題ではありません。さまざまな原因が考えられます。
 しかし、原因の何割かは、それまで人類が経験したことない多種類の化学物質暴露であるかもしれません。

上記のような方法によって、妊娠可能な年齢の女性たちの体内濃度が下がれば、これから生まれてくる赤ちゃんの体内濃度も下がり、将来の世代がより健康を楽しめる割合が増えてくることが期待されます。
 2003年、厚生労働省は、妊婦は水銀濃度の高い数種類の魚を食べる量を減らすようにと注意を勧告しました。しかし、本当は妊娠がわかってからではなく、妊娠前に濃度を下げておく、あるいは上げないようにする配慮が必要なのです。
 私たちは、なんとか環境を改善することで将来の世代がより健康に生きられる社会を作れないかと考え、「ケミレスタウンプロジェクト」を開始しました。

研究室から出て、成果をいよいよ社会に生かすステップに入ったわけです。「環境改善型予防医学」の実践です。

このプロジェクトは、千葉大学の柏の葉キャンパス(千葉県柏市)の敷地内に、シックハウス対応型の戸建て住宅5棟と、集合住宅を建設するほか、環境医学診療科の入る研究棟などを建設するものです。

化学物質による健康影響はさまざまなものが考えられていますが、当面は対策が取りやすい「シックハウス」を対象にすることにしました。
 この住宅に、シックハウスを疑われる小児とその家族に短期間滞在してもらい、症状の改善を図ります。

もしこれらに滞在することで症状が改善されれば、原因が現在の住居にあることが明らかになります。

さらに、同意を得て、脈拍、血圧、その他シックハウス症候群に関連するデータを集める予定です。
 当然ですが、現代人にとって、化学物質はなくてはならないものです。

日本が世界でもトップクラスの新生児死亡率の低さと、長寿を誇っているのは、広い意味で化学物質の発展のおかげといっても過言ではありません。

しかし、あまりに多くの、実際には不要な化学物質に囲まれてしまっているのもまた事実です。
 5年間のプロジェクトで、可能な限り多くのデータを集め、今後のシックハウス対応に生かします。

また、将来的にはこのプロジェクトを「エコタウン形成プロジェクト」として発展させ、環境も健康も持続可能な社会のモデルタウンをここに作っていく計画です。
 もちろん、このような理想郷を大学の中だけにつくるのでは意味がありません。

今、日本各地で街の再生が取り組まれています。

その街の再生の際に、ケミレスタウンプロジェクトでの成果を生かしていただければ幸いです。

全国どこにいても、不必要な化学物質に暴露されることの少ない家、あるいは地域に住むことを選択できる社会を実現することが、私たちの目標です。


runより:こういう試みはもっとやってほしいですね。

千葉はシックハウス症候群、化学物質過敏症に力を入れてます。