【環境ホルモン研究の最先端】6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 実際は、蓄積性は低いものの健康への悪影響が考えられる物質で、現在も使用されている物質が数多くあります。

しかし、測定法が確立されていないものは測定することができませんので、もっともっと数多くの化学物質が入っていることがわかっていても、測定対象にできる化学物質は非常に少ないのです。

ここでも、できることと現状との間には大きな隔たりがあります。
 このような中で、成人に比べて感受性の高い小児や新生児、胎児を守るには、従来の対策の根本的な見直しが必要です。

すなわち、よりマクロな視点からの対策です。

私たちが提唱しているのは、「環境改善型予防医学」の確立です。
 この予防医学には、三つの段階があります。

まず、妊娠可能な年齢の女性を対象に、血液検査を実施します。

血中のPCB濃度は、ダイオキシン類やそのほかの有機塩素系蓄積性物質や、水銀の濃度と相関があることがわかってきました。

また、血中PCB濃度は、簡易型ですと数万円で測定することができるので、PCBの濃度が分かれば、ある程度他の蓄積性の化学物質の濃度も推定することができます。将来、もし非蓄積性の物質についても簡易に測定できる方法が確立されれば、そのような物質も対象にします。
 血液検査の結果、比較的高いと判明した人は、一つには生活習慣病の予防医学における「介入」のように、食事指導や生活改善で体内に化学物質を取り込む量を減らします。

また、もう一つの方法は極端に濃度が高い場合に限りますが、高脂血症(コレステロールの高い症状)の薬剤を使って、治療的に体内濃度を下げる方法があります。

この方法は、濃度が高ければ高いほど下げられる率が高くなります。最近の新聞報道によりますと、この方法で九州のカネミ油症事件の患者さんたちの体内ダイオキシン濃度を下げる取り組みが始まるそうです。
 一方、濃度が低くても、環境教育やリスクコミュニケーションによって、不必要な化学物質にはなるべく暴露しないように生活に注意を促すことができます。