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・5.2.4 脳電気活性
電磁界への職業ばく露が、脳電図(EEG)の臨床変化を生じることが1996 年に初めて示唆されて以来(Asanova およびRakov、1966;1972)、磁界ばく露が脳の電気的活性に影響を及ぼすかどうかを調べるために、多数の研究が行われた。

これらの研究方法では、安静時の自発活性の記録だけでなく、特異的な刺激(誘発電位または事象関連電位(ERP)の応答で生じた感覚機能とその後の認知プロセスの記録により、脳の機能状態に関する有用な診断情報が得られる。

しかしながら、磁界を用いた神経生理学的研究は、多くの誤りやアーチファクトの発生源となりがちなので、慎重に、注意して行う必要がある(NIEHS1998)。

特に、ボランティアの覚醒状態および集中力の変化が、研究の成果に大いに影響を与える可能性がある。
様々な研究で、EEG の主要周波数帯のスペクトル強度を解析して、脳活性に対する磁界の影響が調査されているこれらの研究では、非常に様々な実験計画とばく露条件を用いているだけでなく、健康なボランティアと神経疾患を有する患者を用いて研究が行われているため、比較と評価が困難である。アルファ周波数帯域で最も顕著な界依存性変化のばらつきがあり、連続ばく露よりも間欠ばく露の方がおそらく効果的であるものの、これらの研究
では一貫性のない、時には矛盾した結果が示されている。
睡眠時の個々人のEEG の解釈の困難さは、個人内のばらつきが非常に大きいことである。
ERP のばらつきはずっと低く、より良い再現性が示されている。また、EEG 波形の誘発電位
に対する磁界影響と電界と磁界の複合的影響を調べた研究もある。

研究間に一部相違があるものの、一般的には、感覚機能に相当する誘発応答の初期構成部分は、ばく露に影響されないようである(Graham およびCook、1999;Lyskov 等、1993b)。一方、刺激検出値を示す波形の後期構成部分の大きな持続的変化は、60mT でのばく露によって生じ、30μT 未満では影響はなかった(Graham 等、1999)。最後に、識別課題と注意課題を実施中のばく露は、刺激評価と意志決定に関与する認知プロセスを反映すると考えられている、EEG の主要な後期構成部分に影響を及ぼす可能性がある但しCrasson およびLegros(2005)は、以前に報告した影響を再現できなかった。
課題の困難さと界の間欠性が実験における重要な変数であるかもしれないという証拠もある。
しかしながら、上記のわずかな影響は全て、十分に明確化されておらず、研究間に一貫性がないことから、さらなる研究と解釈が必要である。


runより:電磁波過敏症の頭痛の理由に繋がる話だと思います。