WHO 環境保健クライテリア238より6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・5.2.3 網膜機能
ヒト網膜機能に対する弱い低周波磁界ばく露の影響は、十分に確立されている。

20Hz で5mT以上、50Hz で約15mT の磁束密度への頭部のばく露は、磁気閃光と呼ばれる、わずかな光がちらつく視覚的感覚を確実に誘発する。

この閃光は、誘導電流と網膜内の電気感受性細胞との相互作用により生じることで、一般的に意見が一致している。

いくつかの証拠から、弱い誘導電界による閃光感覚には、電気信号への光の初期伝達は関与しないことが示唆されている。

第一に、イオンチャネルの導電率の変化に先立ち、主に代謝反応の細胞内「二次的メッセンジャー・カスケード」を通じて、光の吸収により生じた初期信号の増幅が生じる(Hille およびAnderson、2001)。

第二に、閃光の閾値は、低レベルの光に対する「暗」適応によって影響されないようである(Carpenter、1972)。加えて、閃光は、主に色素上皮と光受容体に影響を及ぼす、退行性疾患の網膜色素変性症の患者にも誘発される。

網膜回路が一般に、CNS のニューロン回路に対する誘導電界影響の適切なモデルと見されるのは理にかなっている(Attwell、2003)。

第一に、網膜は他のCNS 領域に存在する全プロセス、例えば傾斜電圧の信号や活動電位などを示し、同様の生化学を有する。

第二に、閃光は微細な認知影響とは対照的に、界の相互作用の直接かつ再現可能な認知である。

この点から、正常な視覚刺激の検出と非視覚的方法による異常な視覚信号の誘発とを明確に区別することができる(Saunders、2003)。

後者は、CNS の他の領域の認知プロセスに対する直接影響の可能性を示唆している。
電気的に誘発される閃光の閾値は、20Hz で10~40mAm-2 と推定されている。

磁気的に誘導される閃光の研究に基づいて、同様の値(20 Hz で10mAm-2)が、Wake 等(1998)によって導出されている。約0.1Sm-1 の脳組織の組織導電率を用いて、これに相当する電界閾値が約100~140 mVm-1 であると推定可能である。

更に最近では、Reilly(2002)が、閃光の発生に関する約
20Hz の網膜の電界閾値を53mVm-1 と算出している。同様の値(60mVm-1)が他にも報告され
ている(Saunders、2003 参照)。

但しその後、Taki 等(2003)は、閃光の閾値の算出結果から、電気的に誘発される閃光の閾値は20Hz では約100mVm-1 であるが、磁気的に誘発される閃光の閾値は概ね10mVm-1 であることが示唆されたと報告している。
神経解剖学的および生理学的考察に基づいた、Attwell(2003)による詳細な計算から、網膜の細胞外液の閃光の電界閾値は20Hz で10~60mVm-1 の範囲であることが示唆されている。
しかしながら、これらの値にはかなりの不確実性が伴う。また、ほとんどのばく露量モデルで用いられている、組織全体について適切な値として細胞外液の値を外挿することは、細胞外液の容量などの因子に大きく依存するため複雑である。

周波数応答に関しては、Reilly(2002)は、狭い周波数の応答は、約25ms という比較的長い膜時間定数の結果であると示唆している。
しかしながら、現時点では、閃光誘発の基礎となるメカニズムについては知られていない。

また、この狭い周波数の応答は、網膜ニューロンのシナプス末端における活性増幅プロセスを考慮した前述のReilly(2002)およびAttwell(2003)が示唆するように、網膜ニューロンの内因的生理学特性によるものなのか、あるいは、視覚信号の中枢処理の結果なのかについては明確でない。

この論点は、更なる研究を通じてのみ解決することができる。


runより:この論文は眼がチカチカするなどの論文となってます。

こういうのを噛み砕いて分かり易く説明できるように勉強したいと思ってます。

((。´・ω・)。´_ _))ペコ