・4.6 電磁界による間接的影響
4.6.1 表面電荷とマイクロショック
商用周波の電界中では、身体表面に電荷が誘導される。
その界が十分に大きければ、これを毛の振動を通して感知できる。
電界中では、接地しているかどうかによって、それぞれの対象物ごとに得られる電荷は異なる。
ヒトは、一方が接地していて、他方が接地していない導体に触れると、マイクロショックまたは小さな火花放電を受ける。
これは痛みを伴う場合もあり、極端な状況においては火傷を負う可能性もある。
・4.6.2 接触電流
ヒトが異なる電位の2 つの導体に同時に接触する場合、その2 点間の電気抵抗に反比例する大きさの接触電流がそのヒトに流れる。その経路における抵抗の一部は、物体の接点と皮下層の間に存在する。
この割合は、乾燥した指先接触では高く、湿った掌全体での握り(外皮全体で湿気によって短絡するかなりの表面積)では非常に低い。皮膚接触点を除けば、人体の抵抗はそれほど変化しないが、人体の大きさ、筋肉-脂肪含有量、等に依存する。
Kavet 等は、接触電流へのばく露について最も起こりうるシナリオは浴槽内の子供であると特定し、子供の骨髄に誘導される電界にばく露されると、磁界ばく露と関連付けられている小児白血病のリスク上昇の原因となるもっともらしい相互作用メカニズムを示す可能性があることを示唆している。
入浴中、幼児はしばしば、蛇口ハンドル、噴流口または水流自体に触るといった探索行動をとる。
電気設備の中性点を家の水道管に接続している住居の電気システムでは、水道管および水道設備と地面との間に小さな電圧(通常1V 未満)が生じる。
浴槽の排水管が導電性で、地面に埋設されていれば、子供が水道設備または水流に触れることによって回路が閉じる。
接触の両端が湿っているので、人体抵抗は最小になる(恐らく1~2kΩ程度)。(中略)これまでのところ、接触電流に関する工学的研究では、主に米国に特有の電気系統に焦点が当てられている。
ELF 疫学研究が実施されている国の中には、電気系統に水道を含む複数の接地点がある国もある。
接続が明示されていない他の国々では、主に給湯器接続を経由して、無意識に水道管から地面への電圧を生じている可能性が非常に高い。
runより:水道管はアースになる事の説明と思えばいいです。