有髄神経線維の刺激閾値 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.4.3 有髄神経線維の刺激閾値
細胞膜において、ニューロン(神経細胞)の電気的興奮性は、電圧依存性のイオン(主にナトリウム、カリウム、カルシウムおよび塩化物)チャネルが存在することにより生じる(例えばMcCormick、1998)。

ナトリウム、カルシウムおよび塩化物イオンは各ニューロンの外側でより高い濃度で存在し、カリウムおよび膜不透過性の陰イオンは内側で濃度が高い。

この結果、細胞の内部は外部に対して負に帯電される;一般に、哺乳類の不活性のニューロンは、60~75mV の「安静時」膜電位を示す。

誘導される膜の脱分極が電圧依存性のナトリウムチャネルを持続的に開放する閾値を十分に上回れば、外部から印加された電界は、末梢神経細胞の軸索
を刺激し、結果的に1 つ以上の活動電位を生じる。

多くの神経軸索では、活動電位の閾値は50mV~55mV 前後であり、「安静時」電位より約10~15mV 高い。有髄神経線維の電気刺激は、膜コンダクタンス変化に適用される電気ケーブル理論を使ってモデル化できることが示された。

有髄神経線維について空間的に拡張した非線形節点モデル(SENN)を提案し、これを様々な印加電界および電流の閾値を導くのに用いた。直径が大きい有髄神経軸索についての最小限の方向依存性の刺激閾値は6V m-1 前後と推定された(Reilly、1998b)。

この値は、組織の導電率を0.2Sm-1 と仮定すれば、約1.2Am-2 の電流密度に等しい。

直径がより小さい神経細胞では、電界の閾値はより大きいと推定された。

但し、受動的ケーブル理論はCNS におけるニューロン樹状突起には適用されない点に注意を要する(例えばTakagi、2000)