WHO 環境保健超低周波健康影響5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・1.1.4 神経行動
商用周波数電界へのばく露は、表面電荷の影響を通じて、知覚から不快感までの明確な生体反応を生じる。

これらの反応は、電界強度、周囲環境条件および個人の感受性に依存する。直接的知覚の閾値は、ボランティアの10%で2~20 kV m-1であり、不快感の閾値は、ボランティアの5%で15~20 kV m-1であった。

人から地面へのスパーク放電は、ボランティアの7%が5kVm-1の電界で痛みを感じることがわかっている。

帯電した物体からの地面と接触した人を通した放電の閾値は、その物体の大きさにも左右されるため、特別な評価が必要である。
界強度が高く、急速なパルス磁界は、末梢神経または中枢神経組織を刺激する。

このような影響は磁気共鳴イメージング(MRI)の処置中に生じるもので、また、これは経頭蓋磁気刺激に使用される。

直接的神経刺激についての誘導電界強度の閾値は、数V m-1である可能性がある。
この閾値は、数ヘルツから数キロヘルツの周波数範囲にわたり一定であると考えられる。

てんかんに罹っている人またはてんかんに罹りやすい人は、中枢神経系(CNS)におけるELF誘導電界に対する感受性がより高いと思われる。

さらに、CNSの電気刺激に対する感受性は、てんかん発作の家族歴、三環系抗うつ剤、神経弛緩薬、およびその他の発作を低下させる薬剤の使用に関連しているようである。
CNSの一部である網膜の機能は、直接的な神経刺激を生じるよりも弱いELF磁界へのばく露によって影響される。

チラチラする光の感覚(磁気閃光と呼ばれる)は、誘導電界と網膜内の
電気的に刺激された細胞との相互作用により生じる。網膜の細胞外液における誘導電界強度の閾値は、20Hzで約10~100 mV m-1 と推定されている。

しかし、この値には著しい不確実性がある。
ボランティア研究における、脳の電気的活動、認知、睡眠、過敏性および気分などのその他の神経行動的影響に関する証拠は、あまり明確ではない。

一般的に、このような研究は、上述の影響を誘導するために必要とするばく露レベル以下で実施されているため、得られる証拠は微弱で一時的な影響の証拠に限られる。

このような反応を引き出すために必要な条件は、現在のところ明確には定義されていない。

ある認知課題の遂行において、反応時間と正確さの低下に及ぼす電磁界依存性の影響の存在を示唆するいくつかの証拠があり、これは脳の相対的な電
気的活動に関する研究結果によって裏付けられている。

磁界が睡眠の質に影響を及ぼすかどうかを調査している研究では、矛盾した結果が報告されている。これらの矛盾は、研究間でデザインに違いがあることに起因している可能性がある。
電磁界全般に対して過敏であるという人々もいる。しかし、二重盲検誘発研究の証拠から、報告されている症状は電磁界ばく露とは無関係であることが示唆されている。
ELF電界および磁界へのばく露がうつ症状または自殺を誘発することを示す証拠は、矛盾し、かつ決定的でないものしかない。

よって、その証拠は不十分であると考えられる。
動物では、ELF界へのばく露が神経行動的機能に影響する可能性が、様々なばく露条件を用いて多くの観点から探求されている。

確たる影響はほとんど確立されていない。

動物が商用周波数電界を検出できるという説得力のある証拠がある。

これはほぼ間違いなく、表面電荷が影響する結果であり、一時的な興奮または軽度なストレスを誘発する。

ラットの検出範囲は3~13kV m-1である。

齧歯類は50kV m-1以上の強度の電界を忌避することが示されている。

他の可能な電界依存性の変化は十分には定義されていない。

実験室研究では、微妙で一時的な影響の証拠しか示されていない。

磁界へのばく露が脳内のオピオイドやコリン作用性の神経伝達系の機能を修飾させるかもしれないという証拠がいくつかあり、これは、鎮痛および空間記憶課題の習得や遂行に及ぼす影響を調査している研究結果によって支持されている。