・Ⅱ「環境過敏症」とは何か?
「環境過敏症」という用語は、他の多くの人々によって一般的に耐えられる曝露レベルでの、化学物質や電磁波、その他の環境因子に対する反応の多様性を示す。
これらの現象はまだ十分にわかっていない。
それに反して、金属(例、鉛や水銀)、岩粉(例、アスベスト、シリカ)、化学物質(例、硫化水素、ダイオキシン)、生物学的因子(例、蛇やサソリの毒)などのいくつかの毒性環境因子は、人々への有害な影響についてもっとよく分かっている。
「環境過敏症」は、万人に共通の原因で起きる単一、単純な症状を示さない。
環境的に過敏な人々は、化学物質や生物学的因子、電磁場的現象などのひとつかより多くの因子へ曝露するか、特定の場所にいるなどの環境の条件に、彼らの症状が結びつく。
表1 は環境過敏症の様相を示すために使われるいくつかの用語をリストアップした。
臨床像に加えられた複雑さも表1 に示す。環境曝露で、全患者がこれらの全
ての状態に関わるわけではないが、環境因子の幅が、患者個人の病気に関与するだろうという可能性を自覚するべきだ。
表1:環境過敏症の様相を示す名称と、一般的に重なる健康状態
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環境過敏症の様相 一般歴に重なる健康状態
環境への反応性を強める状態 繊維筋痛症
全般的アレルギー症候群 筋痛性脳脊髄炎(ME)
毒誘発性耐性欠損(TILT) 慢性疲労症候群
多種化学物質過敏症(MCS) ウィルス感染後疲労症候群
多種化学物質超過敏症 感染後神経筋無力症
化学物質不耐性 ヤッピー風邪
湾岸戦争病/症候群 慢性痛
特発性化学物質不耐性 偏頭痛
環境病 関節炎
化学的損傷/アレルギー アレルギー
毒性損傷 鼻炎
気密ビル症候群 喘息
シック・ビルディング症候群 食物不耐性症候群
20 世紀病 セリアック症
化学的誘発病 過敏性腸症候群
化学恐怖症 大うつ病
電磁波(超)過敏症/不耐性 不安またはパニック性障害
電波病 甲状腺機能低下症
(中略)