石川 哲先生の講演 | 化学物質過敏症 runのブログ

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runより:図とか表と言う言葉が出てきますが講演資料なのでありません

ご了承ください((。´・ω・)。´_ _))ペコ


・日本建築学会 室内化学物質空気汚染調査研究委員会

http://news-sv.aij.or.jp/iapoc/Task1-2-2.pdf


・化学物質の人体に対する医学的影響の解明とガイドライン値の検討
              石川 哲
1.緒言
 室内空気汚染物質が健康障害の大きな問題となってきている。

1973年から74年にかけての第4次中東戦争時に生じたエネルギー危機を契機として、省エネルギーのための空調基準の見直しと、新建材の開発、そして高気密化のために、室内空気環境の劣悪化と健康障害の問題が表面化した。

最初にシックビルディング症候群(SBS)の概念が紹介されたのはFanger ら(Fanger PO, Valbjorn(eds):Indoor climate. The Danish building Research Institute, Copenhagen, 1979)によるが、その後この病名が使用されている。当初は湿度、温度、照明、風速、音響、微粒子やレジオネラ菌症を初めとする細菌、真菌などを含めた非常にはば広くに使用された。

しかし現在は一般に室内空気の化学物質汚染を中心に使用されている。

SBSの概念もこのように徐々に変化してきている。症候群と言う言葉は、「特定の異常とともに、またそれを特徴づける一つのグループの徴候や症状」(Webster)であり、SBSの概念の中には多くの疾患が含まれているために、一つの症候群として呼ばれることに異論もあるが、現実的な病名のために使用されている。

本邦でも1987 年にSBSについてすでに報告され(石川哲:Sickbuilding syndrome. 神経眼科 4: 173-175, 1987.)、1992 にも詳しく紹介されている(後藤元:Sickbiuilding 症候群 日本内科学雑誌 81: 2024-2029, 1992)。また一般家庭住宅に同様な問題が生じたために、本邦ではシックハウス症候群とも呼ばれているが、同じものと考えてよい。その症状をWHO の基準(WHO. Indoor air pollutants; Exposure and Health Effects Assessments. Working GroupReport, Nordlingen, Euro reports and studies No 78: 1-42, WHO,Copenhagen, 1987)やこれまでの報告も考慮に入れて主要症状を列挙すると
 ①中枢神経症状:頭痛、傾眠、集中力欠如、不安、行動異常、眩暈、被刺激性の亢進
 ②眼症状:乾燥、刺激感、流涙、充血
 ③気道症状:鼻閉、鼻汁、咽頭痛、嗄声、感冒様症状、喘鳴、呼吸困難
 ④皮膚症状:掻痒、発疹、乾燥  ⑤全身症状:倦怠感、易疲労感。
これらの症状が特定の居住環境により引き起こされることが条件となっている。