HTLV-1関連脊髄症(HAM)2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4. この病気の原因はわかっているのですか
もちろんHTLV-1感染が原因で、前述のようにウイルスが体内で増加するとHAMになりやすさが急激に上昇します。しかし、感染者のごく一部にのみ発症する機序はわかっていません。

5. この病気は遺伝するのですか
HTLV-1の感染経路は主として母親から子への母乳を介する感染と性交渉を介する夫から妻への感染ですから、まれに家族内発症はありえます。また、免疫応答に関連する複数の遺伝的要因が発症に関与していることが明らかになっていますので、発症しやすい体質はあるものと思われます。しかし、いわゆる遺伝病ではありません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
自分で気づく症状の第一は徐々に進行する歩行障害で、まず両下肢のつっぱり感のために足がもつれて歩きにくく、歩幅が狭くなり内股で歩くようになります。

痙性不全対麻痺と呼ばれます。

走ると転びやすく、階段の上り下りは、初めは下りにくさを感じます。

両下肢の筋力低下が出現すると、特に大腿や腰回りに力が入りにくく、つっぱり感も加わって、すばやいスムーズな動きができなくなります。

足尖、大腿部が持ち上がらず、階段の上りも困難になります。痙性が強い場合は筋肉の硬直やけいれんを伴い、自分では膝・足関節や股関節を曲げることが困難になります。

逆に、チョットした刺激で反射的に関節が屈曲し、転倒の原因になることもあります。

歩行障害が進行すると、片手杖、両手杖、さらに車椅子が必要になります。 

両下肢の症状と並んで、早期から自覚される症状として排尿障害や便秘があります。

頑固な便秘や残便感はあまり病気と関連して自覚されませんが、突然の尿閉や頻尿、繰り返す膀胱炎で泌尿器科を受診し、HAMが診断されることもあります。

尿意があってもなかなか出ない排尿困難、全部出し切れずに残った感じがしてまたすぐにトイレに行きたくなる残尿感と頻尿、尿意を感じたら我慢できないで漏れてしまう尿失禁がみられます。

感覚の異常は下半身の触覚や温痛覚の低下がみられますが、運動障害に比べて軽度にとどまることが多く、はっきりと感覚の低下を自覚している人は少ないと思います。

しかし、持続するしびれ感や痛みなど、自覚的な症状は発症の早期からよくおこります。自覚的に異常の無い例でも神経内科の診察で足首部での振動覚低下がしばしばみられます。

自律神経症状は高率にみられ、特に、排尿困難、頻尿、便秘などの膀胱直腸障害は病初期よりみられ、しばしば患者の主な訴えとなります。

進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害なども認められ、発汗低下による鬱熱のため、夏場に微熱、倦怠感が続き、適切な室温管理が必要となることもあります。

そのほか男性ではインポテンツがしばしばみられます。