在宅への移行
在宅時、鼻マスクは人ー機械インターフェイスとして重要ですので、1個壊れても問題がないように、2個準備します。
また、呼吸回路も2個準備し、1個消毒時、他方を使用します。
夜間および昼間の数時間の使用を主としているので、人工呼吸器が故障しても大丈夫です。
睡眠時などの一日数時間の人工呼吸器の使用により、使用しない時も血液中の炭酸ガスの下がる理由は、睡眠時の呼吸異常の改善、より低い動脈血の炭酸ガス分圧に保つことにより呼吸調節系がより低い炭酸ガス分圧に保とうするリセッテイング 、呼吸筋を人工呼吸中に安静とすることができるため、疲労がとれることなどが考えられています。
気管切開下人工呼吸
気管切開下人工呼吸が必要である場合には、上述の非侵襲的陽圧人工呼吸が有効でないか、喀痰量などが多量である場合、誤嚥などがあり、絶対的な気道確保の必要性がある場合です。
気管切開下人工呼吸による在宅人工呼吸の準備のために、患者さんあるいは家族に人工呼吸器の取り扱い、故障時の蘇生バッグの使用法、気道ケア(気管内吸引法と気管切開チューブの交換、切開創のケア)などについての勉強・訓練が必要となります。
特に、気管内吸引は本人、家族あるいは介助者が行う必要があります。
横隔膜ペーシング
横隔膜にペーサーを植え込み、横隔膜を刺激し呼吸を行いますが、睡眠時などでは上気道は刺激されていないため、横隔膜の刺激によって発生した陰圧により、上気道が閉塞してしまい気管切開あるいは、鼻マスクより陽圧によって上気道を開けておく鼻連続陽圧呼吸が必要なことがあります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
呼吸調節系以外の異常はないので、換気の低い状態を鼻マスクによる人工呼吸や呼吸刺激剤で改善できれば予後は悪くないと考えられます。
ただし、この病気では、初期には原因となっている病気が診断できない可能性もあり、原因となっている病気が明らかとなった場合には、その病気による経過をたどると思われます。