・難病情報センターより
1. 側頭動脈炎(Temporal Arteriris)(巨細胞性動脈炎(GiantCellArteriris))とは
主に60歳以上の高齢者に発症する頸動脈とその分枝の動脈、特に側頭動脈の炎症を主徴とする原因不明の血管炎です。
頭の側面に存在する側頭動脈が、血管炎により、痛みを伴い、肥厚、発赤することから側頭動脈炎と呼ばれるようになりました。
動脈の生検による組織学的検査では巨細胞を含む肉芽腫が認められるため、巨細胞性動脈炎(Giant cell arteritis)とも呼ばれます。
リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica)の症状が約30%の患者さんに認められ、両者はきわめて近似した疾患と考えられています。
特定疾患(難病)の1つに指定されていますが、患者さんへの医療費給付は行われれていません。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
1998年に行われた厚生省疫学研究班と難治性血管炎分科会による疫学調査では、1997年1年間の全国病院受療推定患者数は約690名(95%信頼区間で400~980例)です。
受療率は人口10万人対0.65名です。
男女比はほぼ1:1.7でやや女性が多く、発症年齢は平均71.5歳です。男女ともに60歳後半から70歳代にピークがあります。
3. この病気はどのような人に多いのですか
主に60歳以上の高齢者に発症し、若年者に発症する高安動脈炎と対照的です。本邦では比較的希な疾患で、欧米の白人に多いことが知られています。
4. この病気の原因はわかっているのですか
5. この病気は遺伝するのですか
原因は不明です。
遺伝病ではありません。前駆症状としてウイルス感染症などが報告され、感染が誘因として報告されていますが明らかではありません。
遺伝的素因として、HLA-DR4との相関が報告されていますが、明らかではありません。