・3)虫歯の予防や口内の真菌感染、口角炎を予防するものとして、イソジンガーグル、ハチアズレ、オラドール、ニトロフラゾン、抗真菌剤などが用いられます。歯の管理と治療としてブラッシング、歯垢の除去と管理、虫歯、歯周病対策などがあります。オーラルバランスという口腔保湿剤もあります。
(4)口腔内環境を改善させるために、食事の改善として乾燥食品、香辛料、アルコール飲料を避けること、禁煙が必要です。
口内の痛み、乾燥による咀しゃくと嚥下困難に対しては食物をやわらかくする、刺激のあるものを避ける、乾燥したものは液体に浸して食べる、温度を食べやすい温度にする、などがあります。
歯の健康に対してはバラエティーに富んだ食物群をとる、糖分を避ける、甘い間食をとらない(ガムはキシリトールガムにする)などの注意が要ります。
味覚の変化に対しては食物の水分、温度、食物の組み合わせを工夫するなどを考えてください。
全身性の臓器病変のある人は内科などでステロイド薬や免疫抑制薬などを含めて適した治療を受けるべきです。
経過については、10~20年経ても症状に変化のない患者さんが約半数です。残りの約半数の患者さんには何らかの検査値の異常や全身性の病変が発症する可能性があります。
その中には白血球減少、高γグロブリン血症や皮膚の発疹、間質性肺炎、末梢神経症、肝病変、腎病変などがあります。まれにリンパ腫を発症する患者さんもいます。
シェーグレン症候群は長期間にわたる慢性疾患です。以下のことが大切だと思います。
病気の正しい理解と心構え
1. 病気の理解(医師、本、患者会で学ぶ)
(1)自己免疫疾患である
(2)慢性に経過する炎症性疾患である
(3)病気の勢いに波がある
(4)医学の進歩は日進月歩で、新しい治療が開発されている
2. 心構え
(1)病気と共存する
(2)生活を積極的にエンジョイする工夫をする
出来ることは何でもやってみる
人と同じことが出来なくても、他の方法で楽しむ工夫をする
(3)同じ病気にかかっているのは自分ひとりではない
(4)わるい方へばかり考えない
3. 日常生活で気をつけること
1. 規則正しい生活
2. 安静と十分な睡眠:過労をさける、昼寝をする
3. 好き嫌いせずにバランスの取れた食事:栄養素、カルシウム(食後の歯の手入れ)
4. 寒冷をさける:ウイルス感染に注意
5. 外傷、手術などの肉体的ストレスをさける
6. 精神的ストレスをさける
7. 適正体重の維持
8. 適度の運動:入浴、散歩、庭いじり、畑仕事、サイクリングなど
9. 強い日光をさける(日中、山、海、スキー):帽子、長袖シャツ、日焼け止めクリーム
10.長期の予後に関係する疾患を予防する:骨粗しょう症、動脈硬化、高血圧、糖尿病、白内障、結核など
11.薬をキチンと服用する
12.定期的な診察・検査を受ける
13.インチキ療法に注意:高価なもの、極端な精神療法は疑う、主治医に相談