環境省調査業務報告書平成14年度5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・(3) 磁界レベルの季節変動
「寝室の磁界レベル」が0.3μT以上の場合の日内および週間変動パターンの特徴については上述した。

さらに、「寝室の磁界レベル」が電力消費の季節差のため季節変動をしている可能性が考えられた。そこで、磁界測定を行った月別の「寝室の磁界レベル」の分布を見たのが(表1.4)である。測定数は8-9月に?ない傾向があったが、磁界レベルの分布には統計的な有意差はなかった。

また、同様に、1-3月を冬、4-6月を春、7-9月を夏、10-12月を秋と定義して、それら季節別の磁界レベルの分布に違いがあるかについても調べた(表1.5)。

この場合にも統計的有意差は示されなかった。
(4) 高圧送電線の電圧規格と「寝室の磁界レベル」との関連
次の研究課題との関連で、近傍に高圧送電線がある場合の送電線の電圧規格と「寝室の磁界レベル」との関係を調べた。
まず、全対象者の最も近い高圧送電線の電圧規格別の分布を見ると(表1.6)、頻度としては66kVが最も多く、次いで154kV、77kVであった。

また、これらの電圧規格別の磁界レベルの分布を0.1μT未満. 0.1-0.2μT, 0.2-0.3μT, 0.4μT以上に分けて見たのが(表1.7)である。

χ自乗検定で有意な差異は認められなかった。さらに、これらのうち、送電線からの距離が50m以内のものだけを抽出して、電圧規格間の「寝室の磁界レベル」の平均値を比較したのが(表1.8)であるが電圧規格間での有意な差は認められなかった。

つまり、全体的な傾向として、送電線近傍の家屋における「寝室の磁界レベル」には、電圧規格による有意な差異はないことが示唆された(なお、この点については、「送電線周辺における最大磁界レベル推定プログラムの検討」でさらに検討している)。