慢性膵炎4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2) 軽度の腹痛や腹部不快感がある場合には以下のような治療を行います。
(1) 生活習慣の改善: 症状が出現する原因、あるいは誘因を除去することが重要です。すなわち、生活習慣の改善が必要です。禁酒の実現には、家族、社会の協力が必要となります。

治療の原則
1. 禁酒・禁煙
2. 脂っこい食事を控える(脂肪30~40 g/日以下)
3. 腹一杯食べない(腹6~8分目とする)
4. コーヒーを止める
5. 香辛料・炭酸飲料などを制限する

腹痛を繰り返す患者さんでは、食事摂取による疼痛誘発を避けるために1回の食事量を少なくし、1日に4~5回摂取するようにします。また、ストレスも慢性膵炎に悪影響を及ぼしますので、心身の安静を守りストレス・不安の解消などに努めることも重要です。
(2) 一般保存的治療: 腹痛に対しては鎮痙薬、鎮痛薬を投与します。腹痛の程度が比較的軽度の場合には、消化酵素薬の大量投与や酵素阻害薬の経口投与などを行います。さらに、ビタミンCやEなどの抗酸化薬による膵炎発症予防が推奨されています。

  消化吸収障害(下痢、脂肪便)に対しては消化酵素薬と胃酸分泌抑制薬の投与を行います。慢性膵炎が原因で発症した糖尿病に対しては、一般にインスリン注射で血糖をコントロールします。

(3) 特殊治療: 一般保存治療でコントロールできない疼痛、膵管の狭窄や膵石のために腹痛が持続あるいは繰り返す症例や、膵嚢胞や膿瘍などの合併症を伴う場合には、膵管内へチューブを入れ膵液のうっ滞を取り除いたり(ドレナージ術)、膵臓を切除したり、膵臓へ行っている疼痛と関係する神経を切除するなどの処置を行います。

膵石に対して体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)による治療も行うこともあります。

膵嚢胞や膿瘍に対しては手術やエコー下ドレナージなどが必要に応じて行われます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
慢性膵炎は膵臓の炎症を繰り返し起こしますので、一生つきあわなければならない病気ですが、治療をきちんと受けていけば死に至ることはありません。

慢性膵炎患者さんを1994年から2002年までの8年間追跡調査したところ、アルコール性膵炎患者さんの予後は非アルコール性膵炎患者さんに比べて悪い傾向にありました。

アルコール性膵炎では、一般的な治療に加えて、禁酒を守ことが予後の改善に重要です。

慢性膵炎患者の標準化死亡比(一般集団との死亡の比率)は1.55と高く、死因別では、悪性新生物による標準化死亡比は2.02と一般集団よりも有意に高率で、特に膵癌は 7.84と著しく高くなっています

慢性膵炎の患者には、年率約4%の割合で糖尿病が発症します。

さらに、膵癌をはじめ種々の悪性腫瘍を合併する頻度が高く、生命予後が悪い疾患です。