・石川哲ら「電磁波過敏症が初発症状として考えられた7 症例」より引用)
「昔から、診断が困難な病気は、すべて精神疾患という大箱に放り込まれ
てきた。患者達は、研究が発展するまでの間は、誤診と自分の健康管理の
ために戦ってきた既往を持つ。最初このような憂き目を味わった疾病には、
多発性硬化症、慢性疲労症候群、繊維筋痛症、多種類化学物質過敏症、光
線過敏症、聴覚過敏症などがある。
もちろん、適切な研究や診断、治療の発展を阻害する業界からの経済的圧もある。
化学物質過敏症、電磁波過敏症の例からも明らかではある」
(出典:『平成17 年度厚生労働科学研究費補助金健康科学総合研究事業 微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究』、石川哲ら「電磁波と生体:文献的考察---最近の研究を中心として---」より引用)
国内で電磁波過敏症を診療する医療機関はわずかで、社会的認知度も低く、
病院へ行っても更年期障害や精神疾患と誤診され、適切な治療を受けられない発症者も少なくない。
一方、諸外国では、すでに電磁波過敏症を障害と認め、発症者に必要な支援
や電磁波被曝を減らすための対策をたてている。
・2)諸外国の対応
・スウェーデン
スウェーデンでは、電磁波過敏症を障害の一つとして認めている。
ストックホルム市では、発症者の自宅に電磁波対策の専門家を派遣し、電気ケーブルを電磁場漏洩の少ないものにかえたり、電気ストーブをガスストーブにかえたり、屋外からの電磁波の侵入を防ぐため、窓に遮蔽フィルムをはったり、壁に塗料を塗ったりしている。
ストックホルム市の障害問題の担当者によると、これらの費用は同市が負担し、同様の対応は他の10-15 の自治体でも行われている。
また、働き続けられるよう、雇用主にも対策を求めている。たとえば、電磁波漏洩の少ないパソコンに換える、蛍光灯を白熱灯に換える、コードレス電話を有線に換えるなどの対策が求められる。