●専門的なお話から、体験としてのお話へ(青山和子氏)
1まず、お話しいただいたのは、青山氏のCS発症の経緯です(人によって経緯、症状は異なるので、あくまで青山氏個人についてのお話しであることに留意して下さい)。
発症は、ある日突然訪れるそうです。
そして次から次へとにおいに対する過敏症の症状が現れたのですが、実は、子どもの頃から下地はあったとのことです(人ごみの中で気持ち悪くなる経験。おそらく衣服についた防虫剤)。
人によっては、いつの頃から発症したか分からないとおっしゃる方も多いそうです。
次に、症状ですが、どこか一箇所なんてことはありえず、全身に症状が出るそうです。特にやっかいなのが精神面に起こる症状で、話しをしていて途中で自分がなにを言っているか分からなくなり、3カ月ほどは家事もなにも出来なくなってしまったそうです。
2 では、一度CSになったら、もう治らないのでしょうか? 青山氏は、大抵の方は、普通の社会生活に対応できるようになるといいます。
しかし、そのためには、逃げてはダメであるとも。逃げるのではなく、どのように対応するかを身につけなくてはなりません。そのための、key wordは7つあります。
q脱化学物質、
w情報収集、
e反応原因の理解と分析、
rサポーターは多いほどよい、
t創意工夫の毎日、
y耐性をつける、
u心の持ち方を学ぶ、です。
このうち特に印象的だったのは、rです。家族の協力は不可欠だが、ある意味、最大の被害者と言えるので、理解を得るのが難しいそうです。
それがストレスや孤独感につながってしまうそうで、とても難しい問題だと感じました。
3 子どもに関して特に注目すべきは、CSは特異体質であろうがなかろうが誰でもなりうるということ、それは生活環境が大きな背景にあるということ、そして、化学物質は、空気より重いものが多く、床に近いところにただよっているという事実です。
大人と違い、子どもは床に近いところにいるので曝露の危険が、考えている以上に高く、曝露に対する許容量も少ないです。
しかも、子どもの段階でCSになると回復が大変難しいそうです(訴えが正確でないため、うまく対処できないことも一因)。
だから、子どもに対しては、大人以上に配慮しないと、被害は深刻で大きいといえます。
なお、電磁波があふれている昨今、電磁波過敏症からCSになることが多いとの指摘も見逃せません。
最後に、青山氏は、次世代に残す大切なものを3つ挙げられました。それは「清浄な空気、生命の水、そして、安全な衣・食・住」。
それは人間にとって不可欠なもの。消費者が望まないと業者は変わりません。不必要な化学処理をしない物を消費者が選び求めていくことで、業者の行動を変えていく。
それが、将来の世代に責任を持つ、私達大人が「いま」しなければならないことなのだと、強く感じました。
(子どもプロジェクトチーム・尾谷恒治)