慢性疲労症候群7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・免疫の異常に関する研究 [編集]
人が疲労を感じる際、そのシグナルとなる疲労伝達物質であるサイトカインが産生されるとされる。

CFS患者では、このサイトカイン(TGF-β 及び インターフェロン)の産生異常といった免疫機能障害によって、異常な疲労感が引き起こされると考えられている。

サイトカインの産生異常の原因として、様々な研究がされている。

患者の中には免疫の指標であるNK活性が低下している者がおり、免疫低下により体内のウイルスが再活性化してサイトカインが産生されているという考え方がある。

ただ、CDCの検証では、NK活性の低下は一部の患者に見られるのみとしており、特定できるような原因は発見されておらず、またCFSには多数の病因が存在しているため、様々な研究が行われている段階である。

なお、科学誌サイエンスに、XMRVウイルスと慢性疲労症候群の関連が報告されているが、実際にロンドンのKing’s College HospitaやオランダのRadboud 大学で検証したところ患者の誰からもウイルスは見つからなかった。

また、CDCで行われた大規模な検証やその他の多くの研究から、CFSを確実に発症させるような特定のウイルスは存在しないことが明らかになっている。

よって、CFSは他人に感染したりするようなものではない。

近年のサイトカイン産生異常の研究では、CFSはストレスと密接な関係があるとされ、脳内サイトカインが様々な「ストレッサー」によるストレス刺激によって産生されることがわかってきている。

ストレッサーには、物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレッサー(酸素、薬物など)、生物的ストレッサー(炎症、感染)、心理的ストレッサー(怒り、不安など)がある。

ストレッサーが存在すると生体は各種ストレスホルモン分泌を増加させ、ストレッサーに対する防衛機構を働かせる。

これをストレス反応と呼ぶ。種々の外的ストレスが、「自律神経」や「内分泌系」を介して「免疫系の調節」をしていることも明らかになっており、精神的ストレスが内分泌系や交感神経を介して、末梢の免疫細胞の機能変化を誘導し、自己免疫の発症の誘因になることも明らかになっている。

九州大学の研究によると、脳内サイトカインの産生は、中枢神経系における感染などの炎症によって誘発されるだけでなく、拘束ストレスや環境ストレスなど、非炎症性ストレスによっても誘導される。

疲労もまた、様々なストレスによって誘発され、さらに重症化、あるいは慢性化される。疲労の種類は、

1.強制歩行などによる肉体的疲労
2.拘束や不安による精神的疲労
3.暑熱暴露などによる環境疲労
4.感染や腫瘍、および自己免疫疾患などによる免疫学的疲労
に分けることができる。

これらの分類は、とりもなおさずストレスの分類法でもあり、従ってストレスと疲労とは、表裏一体をなすものであり、脳内のサイトカインはこれらを結ぶ、キーワードになると考えられる。