単クローン抗体を伴う末梢神経炎・クロウ・フカセ症候群 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・難病情報センターより
1. クロウ・フカセ症候群とはどんな病気ですか
クロウ・フカセ症候群とは免疫グロブリンを産生する形質細胞の異常が基礎にあり、おそらくこの異常な形質細胞増殖に伴って産生される特殊なタンパク質(血管内皮増殖因子:VEGFと略されます)によって、末梢神経障害、手足のむくみ、皮膚の変化(色素沈着、剛毛、血管腫)、胸水・腹水、など全身の様々な症状が出現する病気とされています。

日本では報告者の名前をとってクロウ・フカセ症候群と呼ばれます。

欧米では主な症状の頭文字をとってPOEMS症候群(P:polyneuropathy-多発神経炎、O:organomegaly-臓器腫大、E:endocrinopathy-内分泌障害、M:M-protein-M蛋白、S:skin changes-皮膚症状)といわれていますが両者は同じ病気です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
それほど頻度の高い病気ではありませんが、厚生労働省の研究班(免疫性神経疾患に関する調査研究班)が2004年に行った調査では、全国に約340名の患者さんがいると推定されています。

ただし診断がつかずに見逃されていることが多い可能性も指摘されており、実際の患者数はもう少し多いと推定されます。

3. この病気はどのような人に多いのですか
特定の人が罹りやすいということはありませんが、男性が女性に比べて約2倍多く罹患します。

平均発症年齢は40歳代ですが、30歳から80歳代まで幅広い年齢層に発症します。

4. この病気の原因はわかっているのですか
この病気の原因はまだ完全には分かっていませんが、骨髄や一部のリンパ節に発生した形質細胞増殖に伴って分泌される血管内皮増殖因子(VEGF)というタンパク質が症状を起こしていることが推定されています。

VEGFは血管の増殖を促進し、また体液の血管外への透過性を亢進させることにより、多彩な症状を出すとされています。

患者さんの血液中にはVEGFが非常に高い濃度で存在し、病気の活動性とも相関することがわかってきました。

5. この病気は遺伝するのですか
この病気は遺伝しません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
多くの患者さんは末梢神経障害による手や足先のしびれ感や脱力で発症し、この症状が進行するにつれて、皮膚の色素沈着や手足の浮腫(むくみ)が出現してきます。

患者さんによっては胸水や腹水の貯留が先に発見されたり、また男性では女性化乳房から発症することがあります。

これらの症状は未治療では徐々に進行して行き、次第に様々な症状が加わってきます。

診断は末梢神経障害や骨病変の精査、血液検査によるM蛋白の検出や血管内皮増殖因子の高値などに基づいてなされます。