・難病情報センターより
1.クッシング病とは
副腎皮質ステロイドホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、特徴的な身体所見を示す疾患群をクッシング症候群といいます。
このコルチゾールは生命維持に不可欠で、下垂体から出てくるACTHというホルモンの支配を受けています。
一方ACTHは、さらに上位の脳にある視床下部から出るCRF(またはCRH)の調節を受けています。
このCRF-ACTH-コルチゾール系の中で、コルチゾールが過剰に産生・分泌され特異的な症状を示す状態をクッシング症候群といいます。
この中で副腎が原因でコルチゾールを過剰に分泌する状態をACTH非依存性クッシング症候群または副腎性クッシング症候群といいます。
一方ACTHが過剰に分泌され、その結果コルチゾールが増える状態をACTH依存性クッシング症候群といいます。
さらにこの中で下垂体に原因がありACTHを過剰に出す病気をクッシング病、下垂体以外からACTHが過剰に分泌される病気を異所性ACTH症候群といいます。
2.この病気の患者さんの頻度
1965~86年にかけて行われた全国調査では、平均して年に約100症例の新たなクッシング症候群が発症し、そのうち副腎性が50%、クッシング病が40%程度と考えられています。
3. この病気はどのような人に多いのですか。
前記調査では、中年の女性に多くみられ、男女比は約1:4といわれています。
4. この病気の原因はわかっているのですか
現在クッシング病のほとんどは、下垂体にACTHを産生する小さな腫瘍ができることによると考えられています。
5. この病気は遺伝するのですか
ほとんどは遺伝しません。ごく稀にですが家族性に発症することがあります。