・5. この病気は遺伝するのですか
遺伝形式ははっきりしていません。しかし後縦靭帯骨化症の合併では家族内発症が認められています。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
胸椎黄色靱帯骨化症が多いのでこの病気につき症状をのべます。
初発症状として下肢の脱力やこわばり、しびれまた腰背部痛や下肢痛が出現してきます。
痛みがない場合もあります。数百メートル歩くと少し休むといった間歇性跛行を来すこともあります。
重症になると歩行困難となり、日常生活に障害を来す状態になります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
神経が圧迫されて症状が出現した場合に治療の対象になります。安静臥床や消炎鎮痛剤の内服を行います。
痛みが強い場合は硬膜外ブロックを行うこともあります。種々の治療法を組み合わせて経過を見ますが、神経症状の強い場合は手術を行います。
この場合、骨化巣を切除して神経の圧迫を取ります。
頚椎後縦靭帯骨化症が合併している場合は症状を来している部位を検査してどちらが病気の主体をなしているか決定します。
どちらかはっきりしない場合、頚椎を先に手術することもあります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
全く症状を来さない方もいます。
また徐々に下肢症状が悪化する方もいます。症状がなくても脊柱靱帯骨化症の一部分の病気と考えられますので頚椎、胸椎、腰椎のレ線写真の検査をおすすめします。
骨化症が存在することが判明すれば、定期的なレ線写真検査を行った方が良いかと思います。
後縦靭帯骨化症同様、些細な外力、転倒等に注意しなければなりません。